Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】AI AGENTS AND HOW TO BUILD THEM

2025年09月25日に「Dev.to」が公開したITニュース「AI AGENTS AND HOW TO BUILD THEM」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AIエージェントは、環境を感知し、思考し、行動して目標を達成する自律システムだ。単純なルールベースから学習・適応するよう進化し、不正検知など複雑な意思決定を自動化できる。中小企業にとって、業務効率化と成長を促進する重要な技術となっている。

出典: AI AGENTS AND HOW TO BUILD THEM | Dev.to公開日:

ITニュース解説

現代のIT分野では、AI(人工知能)の進化が目覚ましく、その中でも特に注目を集めているのが「AIエージェント」と呼ばれる技術だ。AIエージェントは、かつては単純なルールに基づいたプログラムに過ぎなかったが、今では自ら学習し、状況に適応し、意思決定を行う自律的なシステムへと変貌を遂げている。もはや単なる実験的な技術ではなく、すでに様々な産業のあり方を変え始めているのが現状だ。

では、AIエージェントとは具体的にどのようなものなのだろうか。AIエージェントとは、周囲の環境を「感知」し、その情報に基づいて「思考」し(推論したり学習したりする)、そしてその環境に対して「行動」を起こすことで、特定の目標を達成しようとするシステム全般を指す。これはまるで、デジタルな存在が「感知→思考→行動」というサイクルを繰り返し実行していると考えると理解しやすい。

このサイクルを詳しく見てみよう。「感知(Sense)」の段階では、エージェントは周囲の環境から様々な情報を取り込む。これは、データ、テキスト、画像、あるいは他のシステムからのAPI呼び出しといった、あらゆる種類の入力情報を集めることを意味する。次に「思考(Think)」の段階では、集められた情報を分析し、論理的に推論し、そしてどのような行動を取るべきかを決定する。そして最後に「行動(Act)」の段階で、決定された内容を実行に移す。例えば、データベースを更新したり、不正な活動にフラグを立てたり、顧客に商品を推薦したりといった具体的なアクションを行うのだ。

AIエージェントにはいくつかの種類がある。最も基本的なものは「リアクティブエージェント」と呼ばれ、「もしこれが起きたら、あれを実行する」といった非常に単純なルールに基づいて動作する。身近な例としては、特定のキーワードを含むメールを自動的に迷惑メールとして振り分けるスパムフィルターなどがこれに該当するだろう。次に「デリベラティブエージェント」というものがあり、これらは単なるルールだけでなく、過去の出来事を記憶し、将来の計画を立てることができる。例えば、在庫の状況を常に把握し、将来の需要を予測して最適な発注量を決めるようなシステムがこれにあたる。そして、「ハイブリッドエージェント」は、これら両方の特徴を併せ持つ。素早い反応が求められる場面ではリアクティブな動きをしつつ、長期的な視点での計画も立てられる、より高度なエージェントだ。

このようなAIエージェントは、特に中小企業(SMEs)にとって非常に大きな意味を持つ。通常であれば、専門のチームが行う必要があった意思決定や業務を自動化できるからだ。例えば、日々発生する大量の取引の中から不正なものを自動的に検知したり、顧客の行動パターンを継続的に監視してビジネス戦略に役立てたり、煩雑な財務報告業務を自動化したり、あるいはサプライチェーン(製品が顧客に届くまでの全ての流れ)を最適化して無駄をなくしたりと、その活用範囲は非常に広い。これにより、中小企業は限られたリソースで、より効率的かつ高度な業務遂行が可能になる。

ここで、実際にAIエージェントを構築する具体的な例を見てみよう。ここでは、不正な取引を自動で検知するAIエージェントの例を取り上げる。このエージェントは、機械学習という技術を使って、取引が不正かどうかを分類する仕組みだ。

プログラムの骨組みは、Pythonというプログラミング言語で書かれている。まず、AWS(アマゾンウェブサービス)の「Bedrock」というサービスを利用するための準備として、boto3というライブラリ(ツール群)とjsonというデータ形式を扱うためのライブラリを読み込む。AWS Bedrockは、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる、人間のような文章を理解したり生成したりする高度なAIモデルを、開発者が簡単に利用できるように提供するサービスだ。

次に、「FraudDetectionAgent」という名前のクラス(設計図のようなもの)を作る。このクラスは、不正検知エージェントの具体的な動作を定義している。エージェントが初期化される際に、どの大規模言語モデルを使うかを指定する。ここでは「anthropic.claude-v2:1」というモデルIDが指定されているが、これはAWS Bedrockで利用できる数あるモデルの一つだ。

エージェントの各機能は、Sense、Think、Actというメソッド(関数)として定義されている。まず、「sense」メソッドは、取引の詳細情報を受け取る役割を担う。これがエージェントが環境から情報を取り込む部分にあたる。例えば、取引ID、金額、通貨、場所、販売元、時間といったデータが入力として渡される。

次に、「think」メソッドだ。この部分がエージェントの「思考」の中核となる。受け取った取引データを基に、大規模言語モデルを使って推論を行う。具体的には、エージェント自身が「あなたは不正検知エージェントです。取引詳細に基づいて、この取引が怪しいかどうかを判断し、『fraud』(不正)または『legit』(正規)を理由とともに返してください」という指示(プロンプト)を大規模言語モデルに送る。すると、大規模言語モデルはこの指示に基づいて取引データを分析し、その結果と理由を返答する。この処理では、AWS Bedrockのinvoke_modelという機能を使って、指定した大規模言語モデルに問い合わせを行っている。

そして、「act」メソッドは、thinkメソッドで下された判断結果に基づいて実際に行動を起こす部分だ。もし大規模言語モデルからの返答に「fraud」(不正)という言葉が含まれていれば、「警告:不正な取引が検知されました!」というメッセージを表示する。そうでなければ、「取引は承認されました」というメッセージを表示する。

最後に、「run」メソッドがこれらの一連のプロセスを管理する。まずsenseで取引データを受け取り、次にそのデータをthinkに渡して判断させ、最後にその判断結果をactに渡して行動させるという、Sense→Think→Actのサイクルを実行する。

このエージェントを実際に動かすためには、例えば「金額が5000ドルで、ナイロビの電気店での取引」といった架空の取引データを準備する。そして、この不正検知エージェントのインスタンス(実際の動作するプログラム)を作成し、runメソッドを呼び出して取引データを渡すことで、エージェントは自動的に不正検知のプロセスを開始し、最終的な判断結果を表示するのだ。

この例で示された不正検知エージェントは、非常にシンプルな形だが、その動作を拡張することは容易だ。例えば、不正と判断された取引のアラートを単に表示するだけでなく、その情報をデータベースに保存したり、担当者にメールやSMSで通知したり、あるいはリスクの高い取引を自動的にブロックするような仕組みを組み込んだりすることも可能だ。

結論として、AIエージェントは単なる一時的な流行ではない。これらは、中小企業にとって「目に見えない働き手」となりつつある。AIエージェントが持つ自律性、変化への適応能力、そしてリアルタイムでの意思決定能力を組み合わせることで、企業は数百万ドルものコストを削減できるだけでなく、新たな成長の機会を切り開くことができるのだ。AIエージェントは、これからのビジネスにおいて、ますますその存在感を高めていくことになるだろう。

関連コンテンツ

関連IT用語

関連ITニュース