【ITニュース解説】Why I Switched from Blogging to Medium After Earning $2000+
2025年10月05日に「Medium」が公開したITニュース「Why I Switched from Blogging to Medium After Earning $2000+」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ブログで2000ドル以上稼いだ筆者が、その後Mediumに移行した理由を解説。独自ブログとMedium、それぞれの特徴や収益性、運営のしやすさを比較し、どちらのプラットフォームが優れているか考察する。
ITニュース解説
ブログとMediumという二つの異なるプラットフォームでコンテンツを公開し、収益を得るという記事の内容は、システムエンジニアを目指す皆さんにとっても、システムの選択、構築、運用、そしてビジネスモデルの設計という点で多くの示唆を与える。この解説では、記事の情報をシステム開発の視点から紐解いていく。
記事の著者は、自身のブログで一定の収益を上げた後、Mediumに活動の場を移した経験を語っている。これは、単に書き場所を変えただけでなく、コンテンツを公開・運用する「システム」の選択とそのメリット・デメリットを比較した結果だと言える。
まず、自身のブログを運営することは、例えるなら「自社開発のWebサービス」を構築・運用することと非常によく似ている。ブログを始めるには、インターネット上の「住所」にあたる「ドメイン」を取得し、そのブログのデータやファイルを保存してインターネットに公開するための「ホスティング」サービス、つまりサーバーを借りる必要がある。サーバーは、Webサイトの情報を保管し、ユーザーからのアクセスに応じてその情報を提供するコンピューターだ。
その上で、多くのブログで使われるのがWordPressのような「コンテンツ管理システム(CMS)」だ。WordPressは、プログラミングの専門知識がなくても、Webサイトのコンテンツ作成やデザイン変更、機能追加を可能にするソフトウェアであり、それ自体が複雑なシステムと言える。WordPressを使えば、見た目をカスタマイズするためのテーマを選んだり、SEO(検索エンジン最適化)対策やセキュリティ強化のための「プラグイン」と呼ばれる追加機能を導入したりできる。これらの選択や設定、そしてシステムのバージョンアップやバックアップといった運用作業は、まさにシステムエンジニアがWebアプリケーションやサービスを構築・運用する際に直面するタスクと重なる。自身のブログでは、高い自由度と引き換えに、サーバーの負荷対策やセキュリティ脆弱性への対応、定期的なシステムメンテナンスなど、そのシステムの運用・保守に関する全ての責任と手間を自身で負うことになる。
ブログの収益化は、Google AdSenseによる広告表示、アフィリエイトマーケティング、独自のデジタル製品販売など、多岐にわたる選択肢がある。これらの収益化モデルは、ブログ運営者が自由に選択し、実装できる。しかし、読者を自力で集める必要があるため、高いSEOスキルやマーケティング戦略が求められ、収益化までに時間と労力がかかることが多い。コンテンツとシステムの全てを自身で所有し、完全にコントロールできる点がブログの最大の利点であり、長期的な資産構築には向いている。
一方、Mediumの利用は「既存のプラットフォームを利用したサービス提供」に近い。Mediumは、独自の巨大な読者ベースと堅牢な技術基盤を提供している。著者がMediumに移行した理由の一つは、この「既存の読者基盤」にある。自身のブログではゼロから読者を集める必要があるのに対し、Mediumにはすでに多くの読者が集まっており、彼らに自身の記事を届ける機会が格段に増える。これは、システムを開発する際に、ゼロからユーザーを獲得するのではなく、既存のSNSプラットフォームに乗ってサービスを提供する戦略と類似している。
Mediumの利用には、技術的な運用管理の心配がほとんどない。記事の作成はシンプルなエディタで行い、サーバーの管理、セキュリティ対策、SEOの最適化といったWebサイト運営に伴う技術的な手間は全てMedium側が担ってくれる。これは、システムエンジニアがクラウドサービスやSaaS(Software as a Service)を利用してシステムを構築する際のメリットと共通する。自分たちでサーバーを構築・運用する代わりに、専門企業が提供するインフラやサービスを利用することで、開発者は本来のアプリケーション開発に注力できる。しかし、この手軽さの代償として、Mediumではカスタマイズの自由度が低い。ブログのように、独自のテーマや複雑な機能を自由に導入することはできない。
Mediumでの収益化は、主に「Medium Partner Program」を通じて行われる。これは、Mediumの有料メンバーシップに登録している読者が、著者の記事に費やした時間や反応に基づいて、著者へ収益が分配される仕組みだ。この収益モデルは、ブログのように広告収益やアフィリエイト収入を個別に管理するよりもシンプルで、比較的早く収益を得やすい可能性がある。しかし、収益化の仕組みはプラットフォームの規約に依存するため、将来的な変更によって自身の収益に影響が出るリスクも存在する。また、コンテンツの所有権は著者にあり続けるが、プラットフォームの規約に従う必要があり、アカウント停止などのリスクもゼロではない。
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、この記事は「どのプラットフォーム上で、どのようなシステムを構築し、どのように運用していくか」という本質的な問いを考える良い機会になる。自身のブログを運営することは、ドメイン取得からサーバー構築、CMSの導入とカスタマイズ、データベース連携、セキュリティ対策、パフォーマンス最適化、そしてSEO対策といったWebアプリケーション開発の多くの要素を実地で学ぶ絶好の機会だ。これらの経験は、将来的に自身のWebサービスや企業のシステム開発に携わる上で非常に貴重なものとなる。
一方、Mediumのようなプラットフォームを利用する選択は、クラウドサービスや既存のAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を積極的に活用し、開発効率を高める現代的なシステム構築のアプローチと共通する。全てを自前で開発・運用するのではなく、既存の強力なツールやサービスを組み合わせることで、より迅速に価値を提供できるという考え方だ。
記事の著者は、最終的にブログとMediumを併用する可能性についても言及している。これは、それぞれのプラットフォームの利点を活かし、リスクを分散させる賢明な戦略と言える。例えば、Mediumを入口として新しい読者を発掘し、より深く関心を持った読者を自身のブログへ誘導し、そこで独自のサービスやコミュニティを提供する。これは、システム開発においても、既存のSaaSを活用しつつ、自社独自のコア機能を開発する「ハイブリッド」なアプローチと重なる。
このように、コンテンツを公開するプラットフォームの選択一つを取っても、そこにはシステム開発における重要な意思決定の要素が詰まっている。自由度、コントロール、運用負荷、集客戦略、収益モデル、プラットフォーム依存性といった様々な観点から、それぞれの選択肢を比較検討する能力は、将来システムエンジニアとして活躍するために不可欠なスキルとなるだろう。