【ITニュース解説】Indexed but zero impressions: what ten pages and one backlink taught us (Lullwood)
2026年11月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「Indexed but zero impressions: what ten pages and one backlink taught us (Lullwood)」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
WebサイトはGoogleにインデックスされたが、検索表示回数がほぼゼロだった。基本的SEO対策は実施済みだが、外部からの被リンクがほぼなかったのが原因。検索エンジンに読み込ませる対策(クローラビリティ)と、外部から評価される対策(オーソリティ)は異なり、被リンクが重要と判明した。
ITニュース解説
Lullwoodというブラウザホラーゲームの開発チームが、自社のウェブサイトがGoogleにインデックスされているにもかかわらず、検索結果における表示回数、すなわち「インプレッション」がほとんどゼロに近いという問題に直面した経験を共有している。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、ウェブサイトがインターネット上に存在し、検索エンジンに認識されただけでは、人々に見つけてもらうことが難しいという現実を教えてくれる事例だ。
彼らはまず、一般的なウェブサイト運営者が行う「検索エンジン最適化」(SEO)の基本的なチェックリストを徹底的にこなした。具体的には、ウェブサイトの構造をGoogleに伝える「サイトマップ」をGoogle Search Console(サーチコンソール)というツールを通じて提出した。サーチコンソールは、Googleが提供するウェブサイト管理者向けのツールで、自分のサイトが検索結果にどう表示されているか、どんな問題があるかなどを確認できる。また、ページが更新された際には「IndexNow」という仕組みを使って、新しい情報を速やかに検索エンジンに通知した。
さらに、ウェブサイトの情報を検索エンジンがより正確に理解できるよう、「構造化データ」と呼ばれる特定の形式で記述した情報も組み込んだ。例えば、それが「Webサイト」であること、「組織」が運営していること、「ビデオゲーム」であること、よくある質問とその回答がある「FAQページ」であることなどをJSON-LD形式で明示している。これにより、検索結果にリッチな情報が表示される可能性が高まる。ウェブサイトの表示速度も重視し、ユーザーがページにアクセスしてから最初のデータが届くまでの時間(TTFB: Time To First Byte)を0.121秒という高速な値に抑えた。これは、ウェブサイトのパフォーマンスが検索順位に影響を与えるため重要な要素だ。
加えて、GooglebotやBingbotといった主要な検索エンジンの「クローラー」(ウェブサイトを巡回して情報を収集するプログラム)や、最近登場したGPTBotなどのAIクローラーが、サイトの重要なページに問題なくアクセスできることも確認した。具体的には、HTTPステータスコード200(正常)が返されることをテストした。各ページには最も重要な見出しを示す「H1タグ」を1つだけ配置し、内容が重複するページがある場合にどのURLがオリジナルかを検索エンジンに伝える「正規URL(canonical)」も適切に設定した。これらの対策はすべて、検索エンジンがウェブサイトをスムーズに「クロール」(読み込み)し、内容を「理解」できるようにするためのものだ。
しかし、これらの徹底したSEO対策を行ったにもかかわらず、結果は芳しくなかった。過去28日間のサーチコンソールからの報告によると、ウェブサイトへのクリックはわずか1回、インプレッションは14回で、平均検索順位は2.7位と表示された。しかし、これらのインプレッションがどのキーワード(クエリ)によるものだったのかは一切分からず、特に「Lullwood」というゲーム名で検索されたかどうかすら確認できなかった。サーチコンソールの「URL検査ツール」では、ほとんどのページが「送信され、インデックス済み」と表示されており、Googleはサイトの存在を認識していることが確認できた。
では、なぜインデックスされているのに検索結果にほとんど表示されなかったのだろうか。Lullwoodチームは、その原因が「外部リンク」にあると突き止めた。彼らのウェブサイトにリンクしている外部のページは、サーチコンソールが認識している限りではわずか4つだった。そのうち3つは自社サイト内の別ページからのリンクであり、実質的な外部サイトからのリンクは、彼らが「dev.to」という開発者向けプラットフォームに投稿した記事からの1つだけだった。つまり、自分たちで作成した記事以外からのリンクは皆無に等しかったのだ。
さらに悪いことに、「Lullwood」という名前で実際に検索してみると、彼らのウェブサイトよりも、GitHubに公開しているリポジトリが上位に表示されることが判明した。そのGitHubリポジトリのページにはLullwoodのウェブサイトへのリンクがあったものの、そのリンクにはrel="nofollow"という属性が付与されていた。rel="nofollow"属性が付いたリンクは、検索エンジンがそのリンクをランキング評価の対象にしないため、ウェブサイトの「権威性」(オーソリティ)を高める効果は期待できない。GitHubだけでなく、ゲーム配布サイトのitch.ioやThree.jsのフォーラムなど、多くの外部サービスでは、スパム対策などの理由から、外部へのリンクにデフォルトでrel="nofollow"を付与している。Lullwoodチームが唯一、ランキングに影響を与える可能性のある「followed」リンクを獲得できたのは、自分たちでdev.toに投稿した記事からのものだけだった。
この経験から、Lullwoodチームは「クロール可能性」と「オーソリティ」という二つの異なる問題を区別することの重要性を学んだ。クロール可能性とは、検索エンジンがウェブサイトのページを適切に読み込み、内容を理解できるかどうかを指す。これは、サイトマップの提出、ページの高速化、構造化データの導入など、サイト運営者が自分の手でコントロールできるSEO対策によって改善される。今回のLullwoodの事例では、これらの基本的な対策はすべてクリアされており、クロール可能性に問題はなかった。
一方、オーソリティとは、ウェブサイトの信頼性や権威を意味する。これは、他のウェブサイトやユーザーがそのサイトを「推薦」しているか、価値があると認めているかによって評価される。具体的には、他の高品質なウェブサイトからのリンク(特にrel="nofollow"が付いていない「followed」リンク)が多いほど、検索エンジンはそのサイトのオーソリティが高いと判断する傾向がある。Lullwoodの事例では、基本的なクロール可能性は確保されていたものの、外部からの推薦、つまり外部リンクが極端に不足していたため、オーソリティが低く評価され、検索結果に表示されなかったと結論付けられた。サイトの内部をいくら最適化しても、外部からの評価がなければ、検索上位に表示されることは難しいのだ。
この経験から得られた教訓は明確だ。Googleサーチコンソールが「インデックス済み」と報告しているにもかかわらず、インプレッションがほとんどゼロに近い場合、サイトのコンテンツや技術的な調整に時間を費やすよりも、まず「参照URL」、つまり自分たちのサイトにリンクしてくれている外部サイトの数を数え、その質を評価することに注力すべきである。
Lullwoodチームは今後、この教訓に基づいた行動を計画している。引き続きdev.toなどのプラットフォームでゲームに関する記事をクロス投稿し、自社サイトを正規URLとして明示することで、間接的にオーソリティの向上を目指す。また、ブラウザゲームやAI作成ゲームのキュレーションリストにLullwoodを含めてもらうよう依頼する予定だ。これらのリストからのリンクもrel="nofollow"である可能性が高いが、それは直接的な検索順位向上というよりも、ゲームの知名度を上げ、より多くのユーザーがLullwoodを発見するきっかけとなることを期待している。つまり、人々に情報が届く経路を増やすという視点だ。彼らは今後も外部リンクの数を注意深く追跡し、それがゲーム名でのインプレッションにどのような影響を与えるかを検証していく。もし外部リンクが増えてもインプレッションが伸びなければ、オーソリティの構築にはさらに時間と努力が必要だと判断し、継続的に取り組む方針だ。このLullwoodの事例は、ウェブサイトを検索結果で成功させるためには、技術的な最適化だけでなく、外部からの評価、つまりウェブ上の「評判」を築くことが不可欠であることを示している。