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【ITニュース解説】Observability on Amazon EKS Cluster: A Complete Guide to Prometheus and Grafana with Helm

2025年09月22日に「Dev.to」が公開したITニュース「Observability on Amazon EKS Cluster: A Complete Guide to Prometheus and Grafana with Helm」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Amazon EKSで稼働するアプリケーションの「可観測性」を高める方法を解説。Prometheusでログやメトリクスを収集し、Grafanaでデータを可視化することで、システムの現状把握や問題の原因究明を容易にする。Helmを使いEKSクラスターに監視ツールを導入する具体的な手順も紹介する。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、現代のITシステム運用において最も重要なキーワードの一つが「観測性(Observability)」である。特に、Amazon Web Services(AWS)のマネージドサービスであるAmazon Elastic Kubernetes Service(EKS)のようなクラウド環境でアプリケーションを動かす場合、この観測性はシステムの健全性を保ち、問題が発生した際に迅速に解決するために不可欠となる。

観測性とは、システムが外部に公開する情報(ログ、メトリクス、トレース)を分析することで、その内部で何が起こっているかを理解する能力を指す。これは単なる「監視(Monitoring)」とは異なる。監視が「システムは動いているか?」という問いに答えるのに対し、観測性は「なぜシステムが動いていないのか?」というより深い問いに答えることを目指す。例えば、ウェブサイトが遅いとき、監視は「応答時間が異常に長い」と知らせるが、観測性はログ、CPU使用率、ネットワークの経路追跡などを総合的に分析し、「データベースへのクエリがボトルネックになっている」といった根本原因を特定する手助けをするのだ。

EKSのようなKubernetes環境では、コンテナ化されたアプリケーションが無数の小さなサービス(マイクロサービス)に分割されて動いているため、観測性がより一層重要となる。EKSにおける観測性は、クラスタ全体の健全性(ノードやポッドの状態)、アプリケーションの性能(応答時間やエラー率)、AWSインフラのメトリクス(EC2インスタンスやストレージの使用状況)、さらにはユーザー体験まで、多岐にわたる情報をカバーする。この観測性を実現するための主要な要素として、「メトリクス(Metrics)」「ログ(Logs)」「トレース(Traces)」の三つの柱がある。メトリクスはCPU使用率やメモリ使用量、リクエスト数など時間の経過とともに収集される数値データで、ログはイベント発生時のテキスト記録、トレースはマイクロサービス間をまたがる一つのリクエストの処理経路を追跡する情報だ。これらを組み合わせることで、開発チームはKubernetes上のアプリケーションの状況を正確に把握し、問題の検出、デバッグ、最適化を効果的に行えるようになる。

この観測性をEKS上で実現するための強力なツールスタックが、オープンソースの「Prometheus(プロメテウス)」と「Grafana(グラファナ)」である。 Prometheusは、システムの監視とアラート通知を行うためのツールだ。EKSクラスタ内の各コンポーネント(Kubernetesのノード、ポッド、サービスなど)やアプリケーションから、時系列のメトリクスデータ(一定間隔で記録される数値データ)を定期的に収集(これを「スクレイピング」と呼ぶ)し、独自のデータベースに保存する。Prometheusには「PromQL(プロムキューエル)」という独自のクエリ言語があり、これを使うことで収集したメトリクスを詳細に分析し、システムの状態を深く理解できる。また、特定の値を超えた場合にアラートを発生させるルールを設定できるため、問題の予兆を早期に検知することも可能だ。

Grafanaは、収集したメトリクスデータを美しく、かつ分かりやすい形で可視化するためのツールである。Prometheusをデータソースとして連携させ、Prometheusが収集した生データをグラフやチャート、表などのインタラクティブなダッシュボードに変換して表示する。これにより、リアルタイムでシステムの状況を監視したり、過去のデータを分析して傾向を把握したりできる。Grafanaもアラート機能を持ち、特定の条件に基づいて通知を送ることが可能だ。 Prometheusがデータの「収集と保存」、Grafanaがデータの「可視化と分析」という役割を分担することで、両者はEKS上での包括的な観測ソリューションを形成する。これにより、Kubernetesの運用担当者や開発者は、クラスタの健全性を監視するだけでなく、なぜ問題が発生しているのかを理解し、より迅速なデバッグと適切なリソース計画が可能になる。

EKSにおけるPrometheusとGrafanaの監視アーキテクチャでは、Prometheusがクラスタ内部で動作し、各種メトリクスソースからデータを収集する。メトリクスソースには、Kubernetesの各ノードから情報を取る「Kubelet」、Kubernetesオブジェクト(デプロイメントやポッドなど)の状態を取得する「kube-state-metrics」、コンテナごとのCPUやメモリ使用量を監視する「cAdvisor」、Kubernetesのデータストアである「ETCD」のメトリクス、さらにはアプリケーション自身がPrometheus形式で公開するメトリクスエンドポイントなどがある。PrometheusはKubernetes APIやアノテーション、ラベルなどのサービスディスカバリ機能を使って、これらのメトリクスエンドポイントを自動的に発見し、定期的にスクレイピングして時系列データを保存する。 一方、GrafanaもPrometheusと並行してクラスタ内で動作し、PromQLを使ってPrometheusに保存されたメトリクスを問い合わせる。そして、CPU使用率、メモリ使用量、ポッドの再起動回数、アプリケーションの応答時間、カスタムメトリクスなど、さまざまな指標をダッシュボード上で視覚的に表示する。Grafanaコミュニティが提供する多くのテンプレートダッシュボードをインポートして利用することもでき、これにより迅速に高度な監視環境を構築できる。

実際にEKS上でPrometheusとGrafanaを設定する手順は、主に以下の通りだ。まず、AWSコミュニティのTerraformモジュールを使ってEKSクラスタを構築する。TerraformはAWSなどのクラウドインフラをコードで管理するためのツールであり、VPC(仮想プライベートクラウド)やEKSクラスタのプロビジョニングを自動化できる。次に、コンテナアプリケーションのデプロイや管理を容易にするパッケージマネージャーである「Helm(ヘルム)」のリポジトリを追加する。これにより、Prometheus、Grafana、そして外部からのアクセスを制御するNginx Ingress Controllerといったソフトウェアを、簡単にEKSクラスタにデプロイできる。

特にNginx Ingress Controllerは、EKSクラスタ内で動くPrometheusやGrafanaなどのサービスを、外部のインターネットからアクセス可能にするための重要なコンポーネントだ。これはKubernetesのIngressリソースと連携し、外部からのHTTP/HTTPSリクエストを適切なサービスにルーティングする役割を果たす。Nginx Ingress Controllerをデプロイすると、AWSのNetwork Load Balancer(NLB)が自動的に作成され、これを通じて外部からクラスタ内のサービスにアクセスできるようになる。 このNLBのホスト名を利用して、DNSサービスであるAmazon Route53にDNSレコードを設定する。これにより、例えばprometheus.yourdomain.comgrafana.yourdomain.comのような分かりやすいドメイン名でPrometheusやGrafanaにアクセスできるようになる。

その後、いよいよPrometheusとGrafana本体をEKSクラスタにデプロイする。この際、「kube-prometheus-stack」というHelmチャートを利用すると便利だ。このチャートはPrometheus、Grafana、そしてKubernetesオブジェクトの状態メトリクスを収集するkube-state-metricsなど、観測性スタックに必要な複数のコンポーネントをまとめてデプロイしてくれる。設定では、Prometheusがデータを保持する期間や、Grafanaの管理者パスワード、そしてNginx Ingress Controllerを通じて外部からアクセスするための設定などを指定する。 これらのツールがすべてデプロイされたら、最後にサンプルとしてマイクロサービスアプリケーション(例えば投票アプリケーション)をデプロイし、そのアプリケーションの動きやリソース使用状況をPrometheusとGrafanaで監視できるようになる。

デプロイ後には、PrometheusのウェブUIで「Targets(監視対象)」のページを確認し、すべての監視対象が「UP(稼働中)」であることを検証する。また、PromQLを使ってCPU使用率やメモリ使用量などのサンプルクエリを実行し、データが正しく収集されているかを確認する。Grafanaでは、あらかじめ用意されているダッシュボード(例えば「Kubernetes / Compute Resources / Cluster」など)をインポートして、クラスタ全体のCPUやメモリ使用状況がグラフとして表示されていることを確認する。EKSの監視には、クラスタ全体の健全性、名前空間ごとのリソース、ポッドの詳細、APIサーバーの性能、ノードレベルのメトリクス、ETCDの状態、Kubernetesオブジェクトの状態などを可視化するための様々なGrafanaダッシュボードが存在し、これらを活用することで多角的にシステムを監視できる。

この設定が完了すれば、EKS上のシステムを深く理解し、予期せぬ問題に迅速に対応するための強力な基盤が手に入る。Prometheusの堅牢なメトリクス収集能力とGrafanaの直感的な可視化能力の組み合わせは、EKSインフラのスケーリングや最適化に関するデータに基づいた意思決定を可能にする。ただし、監視は一度設定したら終わりではなく、アプリケーションやインフラの進化に合わせて定期的に見直し、最適化していく継続的な取り組みが必要であることを忘れてはならない。

最後に、利用したリソースは、コスト節約のためにも、不要になったら適切にクリーンアップ(削除)することが重要だ。Terraformのterraform destroyコマンドを使えば、TerraformでプロビジョニングしたすべてのAWSリソースを簡単に削除できる。

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