【ITニュース解説】Set Up Real-Time Sync Apps With Ditto and MongoDB in 10 Minutes
2025年09月23日に「Dev.to」が公開したITニュース「Set Up Real-Time Sync Apps With Ditto and MongoDB in 10 Minutes」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
スマホやPCなどのエッジデバイスとクラウドのデータ連携は、オフライン時やネットワーク不安定な環境で難しい。 DittoとMongoDBを使えば、リアルタイムでデータを同期し、常に正確な情報を保つアプリを素早く構築できる。その設定方法を解説したチュートリアルだ。
ITニュース解説
インターネットが普及し、どこでも繋がることが当たり前になったが、それでも通信環境が不安定だったり、全くネットワークに接続できないオフラインの状況はしばしば発生する。このような環境下で、スマートフォンアプリやウェブアプリがスムーズに動作し、データが常に最新の状態に保たれることは、システム開発における大きな課題だ。今回解説する記事は、この課題を解決するための具体的な方法として、Dittoというエッジ同期プラットフォームと、MongoDBというデータベースを組み合わせて、リアルタイムにデータを同期できるアプリケーションを簡単に構築する手順を紹介している。
このシステムの中核を成すのは、いくつかの重要な要素だ。まず、「Ditto Quickstartアプリケーション」は、実際にユーザーが操作するウェブやモバイルのアプリケーションを指す。これは、スマートフォンやパソコンといった「エッジデバイス」上で動作し、データが変更されると、その情報をDittoのシステムへ送る役割を持つ。これらのアプリケーションは、互いに直接つながる「P2Pメッシュネットワーク」を形成する。この仕組みにより、近くにあるデバイス同士は、インターネットに接続していなくても直接データを同期できる。これにより、オフラインの状態でも素早くデータが更新され、途切れることなくアプリを利用することが可能になる。
次に、「Ditto Big Peer」は、Dittoのエッジ同期プラットフォームの主要な部分で、通常はサーバー上で動作するサービスだ。これは、各アプリケーションとクラウド上のデータベースであるMongoDB Atlasの間でデータを同期するための中心的な中継点として機能する。アプリケーションから送られてきたデータや、MongoDB Atlasからのデータ変更情報を、それぞれの宛先に適切に届ける役割を担う。そして、「Ditto MongoDB Connector」は、このBig Peerの一部として動作し、MongoDB AtlasとBig Peerの間でデータがスムーズに双方向に流れるようにするための専用の連携機能だ。このコネクタは、複数の場所で同じデータが同時に変更される「競合」が発生した場合でも、「CRDTs(Conflict-free Replicated Data Types)」という特別な技術を用いて、自動的に矛盾なくデータを統合する能力を持っている。
最後に、「MongoDB Atlas」は、アプリケーションデータの永続的な保存場所として機能する。これは、クラウド上で提供されるデータベースサービスであり、データの保存、検索、加工といったデータベースの基本的な機能に加え、データベースの運用管理もすべてMongoDB側が行ってくれるため、開発者はデータベースの複雑な管理業務から解放される。アプリケーションで扱われるすべてのデータは、最終的にこのMongoDB Atlasに保存され、システム全体の信頼性と安定性を支えている。
これらの要素が連携して動作することで、アプリケーション、Dittoのシステム、そしてMongoDB Atlasの間で、データがリアルタイムに、かつオフラインでも確実に同期される。例えば、アプリケーションで新しいタスクを追加すると、その情報はP2Pメッシュネットワークを通じて近くのデバイスに同期され、同時にBig Peerを経由してMongoDB Atlasにも保存される。また、MongoDB Atlas上で直接データが変更された場合でも、Ditto MongoDB Connectorがその変更を検知し、Big Peerを通じてすべての接続されているアプリケーションに最新のデータが反映される仕組みだ。
このシステムを構築するための大まかな手順は、以下の通りだ。まず、MongoDB Atlas上でデータベース環境を準備する。具体的には、クラウド上に新しいデータベースクラスターを作成し、アプリケーションがデータを保存する「データベース」と「コレクション」を設定する。ここで特に重要なのは、コレクションに対してchangeStreamPreAndPostImages:trueという設定を行うことだ。これは、MongoDBで行われた変更内容をDitto MongoDB Connectorが正確に追跡し、変更前と変更後のデータを比較できるようにするための設定で、データの一貫性を保つために不可欠である。さらに、DittoのシステムがMongoDBにアクセスできるように、専用のデータベースユーザーを作成し、Ditto Big Peerの固定IPアドレスをMongoDBのネットワーク設定で許可する「ホワイトリスト登録」も必要となる。
次に、Ditto側での設定を行う。Dittoのポータルサイトにログインし、新しい組織とアプリケーションを作成する。この作業により、クライアントアプリケーションがDittoのシステムに接続するために必要な認証情報(App IDや認証トークンなど)を取得できる。このDitto側の設定を通じて、Ditto Big Peerがアプリケーションからの接続を認識し、データを適切に処理できるようになる。
その後、Ditto MongoDB Connectorの設定を行う。これはDittoポータル内で、どのMongoDBデータベースのどのコレクションをDittoと同期させるかを具体的に指定する作業だ。MongoDB Atlasの接続文字列、データベース名、同期したいコレクション名を入力し、MongoDBに既存のデータをBig Peerに一度すべて取り込む「初期同期」を行うかどうかや、データIDのマッピング方法などを設定する。設定が完了すると、コネクタの状態が「Pending」から「Running」に変わり、同期が開始される。
最後に、クライアント側のウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションを設定して実行する。提供されているサンプルアプリケーションのコードをダウンロードし、Dittoポータルで取得したApp IDや認証トークンなどの情報を環境変数として設定する。その後、必要なライブラリをインストールし、アプリケーションを起動すれば、システムは稼働準備完了となる。ウェブアプリケーションであればブラウザで、モバイルアプリケーションであればXcodeを使って実機やシミュレーターで実行する。
このようにしてシステムが完全に構成されると、アプリケーションから新しいタスクを作成するだけで、そのタスクはDittoのポータルサイトだけでなく、MongoDB Atlasのデータベースにも自動的に同期されることを確認できる。また、MongoDB Atlas上で直接データを変更した場合も、その変更はDittoのシステムを通じて、接続されているすべてのアプリケーションにリアルタイムで反映される。これは、オフライン環境でもデータの整合性を保ちながら、複数デバイス間やクラウドとの間でデータをスムーズに同期できる、非常に強力なシステムと言える。エッジデバイスとクラウド間のデータ統合は複雑に思えるかもしれないが、DittoとMongoDBを組み合わせることで、低接続環境でもリアルタイムかつ競合のない同期を実現できるのだ。