【ITニュース解説】How to get Aqar.fm property listings into Google Sheets (Riyadh, Jeddah, any Saudi city)
2026年10月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「How to get Aqar.fm property listings into Google Sheets (Riyadh, Jeddah, any Saudi city)」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
サウジの不動産サイトAqar.fmから、物件情報をコード不要でGoogle Sheetsへ簡単にエクスポートする方法を紹介。Apify Scraperを使えば、都市や条件を指定し、価格や地区中央値との比較を含む詳細データを効率的に取得・分析できる。自動更新も可能で、割安物件探しに役立つ。
ITニュース解説
不動産情報の収集は、特定の市場を分析したり、投資機会を探したりする上で極めて重要な作業だが、手作業でのデータ収集は多大な時間と労力を要し、その効率性には限界がある。サウジアラビア最大の不動産サイトであるAqar.fmは、国内の不動産物件に関する膨大な情報を提供しているが、残念ながらサイト自体にはデータのエクスポート機能が備わっていない。このため、例えばリヤドの各地区における家賃相場を比較したい場合や、市場価格よりも割安な物件を見つけ出したいといったニーズがあっても、一つ一つの物件情報を手作業でコピー&ペーストするという非効率な方法に頼らざるを得ないのが現状だ。これは、データに基づく意思決定を目指す個人や企業にとって、大きな障壁となっていた。
しかし、このような手作業の課題を解決し、Aqar.fmから質の高い物件情報をわずか数分で、しかも一切のプログラミングコードを書くことなくスプレッドシートに取り込む方法が存在する。これは、システムエンジニアを目指す初心者にとっても、データ収集の効率化がいかに重要であるかを理解し、具体的なツールと手順を学ぶ良い機会となるだろう。
この方法の中核となるのは、「スクレイパー」と呼ばれるツールだ。スクレイパーとは、ウェブサイトから特定の情報を自動的に抽出し、構造化されたデータとして収集するプログラムやサービスのことだ。通常、スクレイピングを行うにはプログラミングの知識が必要とされるが、今回紹介するアプローチでは、専門知識がなくても利用できるプラットフォームを活用する。
具体的には、「Apify」というウェブスクレイピングプラットフォーム上の「Aqar.fm Scraper」というツールを利用する。Apifyは、さまざまなウェブサイトからデータを抽出するための既製のスクレイパーや、ユーザーが独自のスクレイパーを作成できる環境を提供するサービスだ。このプラットフォームを使うことで、複雑なコーディングをすることなく、目的の情報を手軽に入手できる。
利用手順は非常にシンプルだ。まず、ApifyのウェブサイトにあるAqar.fm Scraperのページにアクセスし、「Try for free」ボタンをクリックしてツールの試用を開始する。これにより、すぐにデータ収集の準備が整う。
次に、取得したい不動産情報の検索条件を設定する。これはまるでAqar.fmのサイトで物件を探すように、自分のニーズに合わせて細かく指定できる。具体的には、サウジアラビア国内の様々な都市から一つを選ぶことができる。リヤド、ジッダ、ダンマーム、アルコバール、メッカ、メディナなど、主要な都市が選択肢として用意されている。さらに、物件のカテゴリも指定可能で、アパート、ヴィラ、土地、商業ビルといった種類の中から選ぶことができる。これらの物件が賃貸用なのか、それとも売買用なのかも選択できるため、目的に応じた絞り込みが可能だ。
加えて、より詳細なフィルターオプションも利用できる。例えば、特定の地区を指定したり、希望する価格帯や面積の範囲、最低寝室数を設定したりすることで、検索結果をさらに絞り込むことができる。最後に、「Max results」という項目で、取得したい物件情報の最大数を指定する。これにより、必要なだけのデータだけを効率的に収集できる。
これらの検索条件を設定し終えたら、いよいよスクレイパーを実行する。画面上の「Start」ボタンをクリックするだけで、Aqar.fm Scraperが自動的にAqar.fmのウェブサイトにアクセスし、指定された条件に基づいて物件情報の収集を開始する。スクレイピング処理が完了すると、収集されたデータはApifyのプラットフォーム内に一時的に保存される。
データが収集されたら、それを自身のスプレッドシートで活用するためにエクスポートする必要がある。Apifyのインターフェース内で「Storage」セクションに進み、次に「Dataset」を開く。ここに、収集されたすべての物件情報が整理された形式で保存されている。このデータセットをCSV形式またはExcel形式でエクスポートし、ダウンロードしたファイルをGoogle Sheetsにインポートすることで、手元で自由に分析や比較ができるようになる。
さらに便利な機能として、収集プロセスを自動化することも可能だ。Apifyでは、スクレイパーの実行スケジュールを設定できる。例えば、「毎日午前8時に実行する」といった設定をしておけば、常に最新の物件情報が自動的に収集され、手動での操作なしにスプレッドシートが更新されるようになる。これは、市場の動向を継続的に追跡したい場合や、定期的に新しい情報をチェックしたい場合に非常に役立つ。
このスクレイパーを通じて取得できる情報は非常に豊富だ。各物件について、英語とアラビア語のタイトルや詳細な説明、サウジアラビアリヤル(SAR)での価格、賃貸期間、面積(平方メートル)、1平方メートルあたりの価格、寝室数、浴室数、物件が属する地区、地図の座標、物件の写真、そして広告主のタイプ(個人か不動産会社かなど)といった多岐にわたるデータが含まれている。
特に注目すべきは、「priceVsDistrictMedianPct」というデータ項目だ。この項目は、個々の物件の1平方メートルあたりの価格が、その物件が所在する地区の平均価格(中央値)と比較して、どの程度上または下に位置しているかを示すパーセンテージだ。例えば、ある物件の1平方メートルあたりの価格が地区の中央値より40.6%低いと示されていれば、それは市場価格よりもかなり割安な「掘り出し物」である可能性が高いことを意味する。このカラムでデータをソートすれば、お得な物件を効率的に見つけ出すことが可能となり、市場分析や投資判断において非常に強力な指標となる。
サービスの利用にかかる費用は、収集する物件のリスト数に応じて発生する従量課金制だ。月額のサブスクリプション料金のような固定費用はなく、利用した分だけを支払う形式なので、必要な時に必要なだけ利用できる経済的なメリットがある。
また、データのエクスポートだけでなく、特定の条件に基づいたアラートを受け取りたいというニーズにも対応できる。Apifyには「Aqar.fm Monitor」という別のツールがあり、これは設定されたスケジュールでAqar.fmを監視し、新しい物件のリストや価格の下落があった場合にのみ通知を送る機能を提供する。これにより、市場の動きをリアルタイムで把握し、チャンスを逃さないための強力なサポートを得ることができる。
このように、コードを書くことなく高度なデータ収集と分析を可能にするツールは、システムエンジニアを目指す初心者がデータドリブンな意思決定の重要性と、それを実現する技術の一端を理解する上で、非常に有益な実践例となる。手作業に頼っていた非効率な作業を自動化し、より質の高い情報に基づいて迅速な判断を下せるようになることは、現代のITスキルとして不可欠な要素と言えるだろう。