【PHP8.x】var_export関数の使い方
var_export関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
var_export関数は、指定された変数の表現を出力または返却する関数です。この関数は、PHPのコードとして評価可能な形式で変数の内容を表現するため、配列やオブジェクトなど、複雑な構造を持つ変数の状態を把握するのに役立ちます。主に、デバッグや設定ファイルの生成、データのシリアライズなどに利用されます。
var_export関数は、引数として変数を受け取り、オプションで第2引数に return パラメータを指定できます。return パラメータが true の場合、var_export関数は変数の表現を文字列として返します。return パラメータが省略された場合、または false の場合、変数の表現は直接出力されます。
この関数は、変数の型を保持したまま表現を生成するため、serialize 関数や json_encode 関数とは異なり、PHPのコードとして直接利用できる形式でデータを出力できる点が特徴です。特に、配列のキーやオブジェクトのプロパティ名も正確に表現されるため、設定ファイルなど、PHPのコードとして解釈される必要があるデータの生成に非常に適しています。ただし、var_export 関数は循環参照を持つオブジェクトを適切に処理できないため、その点には注意が必要です。
構文(syntax)
1var_export(mixed $value, bool $return = false): mixed
引数(parameters)
mixed $value, bool $return = false
- mixed $value: エクスポートしたい値
- bool $return = false: trueを指定すると、関数は文字列を返します。false(デフォルト)の場合は、直接出力します。
戻り値(return)
?string
指定された変数のPHPコード表現を文字列として返します。変数がエクスポートできない場合はNULLを返します。
サンプルコード
PHP var_exportで配列をコード化する
1<?php 2 3/** 4 * var_export関数の基本的な使用方法と、配列の出力形式について示します。 5 * var_exportは変数の値をPHPコードとして表現する文字列を生成します。 6 * キーワード「short array syntax」に関連して、var_exportが配列をどのような形式で出力するかを解説します。 7 */ 8function demonstrateVarExportUsage(): void 9{ 10 // PHP 5.4以降で利用可能な短縮配列構文 (short array syntax) で配列を定義します。 11 $sampleArray = [ 12 'id' => 123, 13 'name' => '田中 太郎', 14 'isActive' => true, 15 'tags' => ['PHP', 'programming', 'web'], 16 ]; 17 18 echo "--- オリジナルの配列データ ---\n"; 19 print_r($sampleArray); 20 echo "\n"; 21 22 // var_export を使用して、$sampleArray のPHPコード表現を生成します。 23 // 第二引数に true を渡すことで、結果が直接出力されず、文字列として返されます。 24 // var_export は配列を 'array(...)' 形式で出力します。 25 // これは、PHPのより古いバージョンとの互換性を保つためです。 26 $exportedString = var_export($sampleArray, true); 27 28 echo "--- var_export の出力結果 (PHPコード形式) ---\n"; 29 echo $exportedString; 30 echo "\n\n"; 31 32 echo "※ 解説:\n"; 33 echo " 上記の出力は 'array(...)' 形式で配列を表現しています。\n"; 34 echo " 現代のPHPで推奨される '[]' (短縮配列構文) も利用可能ですが、\n"; 35 echo " var_export は古いPHPバージョンとの互換性を考慮し、\n"; 36 echo " 常に 'array(...)' 形式で配列を出力します。\n"; 37 echo " var_export が生成する文字列は、そのままPHPコードとして利用できます。\n"; 38} 39 40// 関数を実行 41demonstrateVarExportUsage(); 42 43?>
var_export 関数は、指定された変数の値をPHPコードとして表現する文字列を生成する関数です。これは、プログラム内で変数の値をPHPコードとして出力し、そのまま別のPHPスクリプトで利用したい場合などに便利です。
この関数は二つの引数を取ります。一つ目の $value には、PHPコードとして表現したい変数を指定します。二つ目の $return はオプションで、デフォルトは false です。true を指定すると、var_export は結果を直接出力せず、PHPコードの文字列として返します。戻り値は $return が true の場合は文字列、false の場合は null となります。
サンプルコードでは、PHP 5.4以降で導入された短縮配列構文 [] を使って配列を定義しています。しかし、var_export がこの配列を出力する際には、常に array(...) という古いPHPの形式で表現されます。これは、生成されるPHPコードがより広範囲なPHPバージョンで互換性を持つようにするためです。生成された文字列は、そのままコピーして別のPHPスクリプトで実行できる有効なコードです。このように、var_export は変数の構造をPHPコード形式で確認したり、設定ファイルなどを生成したりする際に役立ちます。
var_export関数は、変数の値をPHPコードとして再利用可能な形式で出力します。特に注意すべきは、配列が常にarray(...)形式で出力される点です。現代のPHPで一般的に使われる短縮配列構文[]とは異なりますが、これは古いPHPバージョンとの互換性を保つための仕様です。生成された文字列はPHPスクリプト内でそのまま利用できます。しかし、デバッグ目的で変数の内容を単に確認したい場合は、var_dumpやprint_rの利用が推奨されます。第二引数にtrueを指定すると、出力は画面ではなく戻り値として文字列で返されますので、用途に応じて使い分けてください。
PHP var_export でファイルに出力する
1<?php 2 3/** 4 * var_export 関数を使用して変数のPHP表現をファイルに出力するサンプルコード。 5 * 6 * システムエンジニアを目指す初心者向けに、var_export の基本的な使い方と 7 * その結果をファイルに保存する方法を示します。 8 */ 9 10// 1. エクスポートしたいデータを準備します。 11// 配列やオブジェクトなど、様々な型のデータを var_export で処理できます。 12$sampleData = [ 13 'name' => 'Example User', 14 'id' => 12345, 15 'isActive' => true, 16 'settings' => [ 17 'theme' => 'dark', 18 'fontSize' => 16, 19 'options' => ['debugMode' => false, 'logging' => true], 20 ], 21 'createdAt' => new DateTime('2023-01-01 10:00:00'), // オブジェクトもエクスポート可能 22]; 23 24// 2. 出力するファイルパスを定義します。 25// '.php' 拡張子にすることで、後で include/require してデータを再利用しやすくなります。 26$outputFilePath = 'exported_data_config.php'; 27 28// 3. var_export を使用して、データをPHPコードの文字列として取得します。 29// 第二引数に 'true' を指定することで、var_export は結果を直接出力せず、 30// 文字列として返します。これがファイルを操作する上で重要です。 31$exportedString = var_export($sampleData, true); 32 33// 4. ファイルに書き込む内容を準備します。 34// エクスポートされた文字列をPHPファイルとして有効にするため、 35// '<?php return ' で囲み、最後にセミコロンを付けます。 36// これにより、後でこのファイルをインクルードした際に、配列やオブジェクトとしてデータを読み込めます。 37$fileContent = "<?php\n\nreturn " . $exportedString . ";\n"; 38 39// 5. file_put_contents 関数を使って、生成したPHPコードをファイルに書き込みます。 40// file_put_contents は、ファイルの書き込みに成功した場合に書き込まれたバイト数を返し、 41// 失敗した場合は false を返します。 42if (file_put_contents($outputFilePath, $fileContent) !== false) { 43 echo "データが '{$outputFilePath}' に正常に出力されました。\n"; 44 echo "ファイルの内容を確認してください。\n"; 45 46 // 例: エクスポートしたファイルを読み込む方法 47 // $loadedData = include $outputFilePath; 48 // echo "\nファイルから読み込んだデータ:\n"; 49 // var_dump($loadedData); 50} else { 51 echo "エラー: '{$outputFilePath}' へのデータ出力に失敗しました。\n"; 52} 53
var_export 関数は、PHPの変数(配列やオブジェクトなど)を、PHPコードとして再構成可能な文字列形式に変換する機能を提供します。第一引数 $value には、PHP表現に変換したい任意の型の変数を指定します。第二引数 $return はオプションで、true を指定すると変換された文字列が関数の戻り値として返されます。デフォルトの false の場合、結果は直接出力されます。この関数の戻り値は、処理が成功した場合はPHPコードの文字列、失敗した場合は null となります。
本サンプルコードでは、入れ子になった配列やオブジェクトを含む $sampleData を var_export を使ってPHPコードの文字列に変換し、その文字列をファイルに保存するプロセスを紹介しています。特に、第二引数に true を渡すことで、生成されたPHPコードを直接出力せず、文字列として変数 $exportedString に格納しています。
次に、この文字列を <?php return ...; という構造で囲み、file_put_contents 関数を利用して exported_data_config.php というファイルに出力しています。この手法を用いることで、生成されたPHPファイルを後から include や require するだけで、元の複雑なデータをそのままPHPの変数として読み込み、アプリケーション内で再利用することが可能になります。ファイルの書き込み処理が正常に完了したかどうかは、file_put_contents 関数の戻り値を確認することで判断できます。
var_export関数でファイルに出力する際は、第二引数に必ずtrueを指定し、PHPコードの文字列として取得してください。これを怠ると、結果が直接画面に出力され、ファイルに書き込むことができません。出力ファイルの内容は、<?php return ...; の形式で囲むことで、後でincludeなどで読み込んだ際に元のデータ構造を正確に復元できます。ファイル書き込み時には、file_put_contents関数の戻り値を必ず確認し、書き込みが成功したかエラー処理を行うようにしましょう。また、出力先のディレクトリに書き込み権限があるか事前に確認してください。var_exportはオブジェクトも出力できますが、カスタムクラスのオブジェクトをエクスポートした場合、読み込み側にも同じクラス定義がないと正しく再構築できない点に注意が必要です。