【PHP8.x】stream_context_create関数の使い方
stream_context_create関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
『stream_context_create関数は、ストリームコンテキストを作成するために使用される関数です。ストリームコンテキストとは、file_get_contents()やfopen()といった、ファイルやネットワークのデータ操作を行う関数(ストリーム関数)の動作をカスタマイズするための、オプションやパラメータをまとめたものです。通常、これらのストリーム関数は標準的な設定で動作しますが、より詳細な制御が必要な場合にこのコンテキストを利用します。例えば、外部のWeb APIにアクセスする際に、特定のHTTPヘッダーを追加したり、POSTメソッドでデータを送信したり、通信のタイムアウト時間を設定したり、あるいはプロキシサーバー経由で通信を行うといった、様々な設定を定義できます。この関数は、オプションをラッパーごとにまとめた連想配列を引数として受け取り、設定を反映したコンテキストリソースを返します。そして、この返されたリソースを目的のストリーム関数の引数に渡すことで、定義したオプションが適用された状態で処理が実行されます。
構文(syntax)
1stream_context_create(?array $options = null, ?array $params = null): resource
引数(parameters)
?array $options = null, ?array $params = null
- array $options = null: ストリームコンテキストに適用するオプションの連想配列。キーと値のペアで指定します。
- array $params = null: ストリームコンテキストのパラメータを指定する連想配列。
戻り値(return)
resource
stream_context_create 関数は、ストリーム操作のコンテキストを表すリソースを返します。このリソースは、HTTPリクエストのヘッダー設定やタイムアウト指定など、ストリーム操作の挙動をカスタマイズするために使用されます。
サンプルコード
PHPでmultiple headersを設定しHTTPリクエストする
1<?php 2 3// HTTP リクエストヘッダーを複数設定する例 4$options = [ 5 'http' => [ 6 'method' => 'GET', 7 'header' => "Content-type: application/x-www-form-urlencoded\r\n" . 8 "X-Custom-Header: value1\r\n" . 9 "X-Another-Header: value2\r\n", 10 'content' => http_build_query(['var1' => 'somecontent', 'var2' => 'othercontent']) 11 ] 12]; 13 14// ストリームコンテキストを作成 15$context = stream_context_create($options); 16 17// ファイルの内容を取得 (HTTPリクエストを実行) 18$result = file_get_contents('http://example.com/api/endpoint', false, $context); 19 20// 結果を出力 21if ($result === FALSE) { 22 echo "Error fetching URL.\n"; 23} else { 24 echo $result; 25} 26 27?>
stream_context_create関数は、ストリームコンテキストを作成するために使用します。ストリームコンテキストは、fopen()、file_get_contents()、stream_socket_client()などのファイルシステム関数やネットワーク関数にオプションを設定するために利用されます。
引数 $options は、コンテキストのオプションを連想配列で指定します。この例では、http オプションを使用してHTTPリクエストの詳細を設定しています。http オプション内では、method でHTTPメソッド(ここではGET)を指定し、header で複数のHTTPリクエストヘッダーを設定しています。複数のヘッダーは、改行コード \r\n で区切って連結します。content オプションは、POSTリクエストなどで送信するデータを指定するために使用します。ここでは、http_build_query() 関数を使って、連想配列をURLエンコードされた文字列に変換しています。
引数 $params は、ストリームコンテキストのパラメータを連想配列で指定します。通常は $options で十分な設定が可能なため、省略されることが多いです。
戻り値は、作成されたストリームコンテキストのリソースです。このリソースは、file_get_contents() などの関数で利用できます。
サンプルコードでは、stream_context_create() 関数でHTTPリクエストヘッダーを複数設定したストリームコンテキストを作成し、file_get_contents() 関数に渡すことで、指定したURLからデータを取得しています。取得に失敗した場合はエラーメッセージを表示し、成功した場合は取得した内容を出力します。これにより、HTTPリクエスト時にカスタムヘッダーを付与してAPIエンドポイントと通信することが可能になります。
stream_context_create関数は、ストリーム操作(ファイルアクセスやHTTPリクエストなど)のオプションを設定するために使用します。サンプルコードでは、HTTPリクエストヘッダーを複数設定する例を示しています。
注意点として、headerオプションの値は文字列として指定し、各ヘッダーを\r\nで区切る必要があります。改行コードを正しく記述しないと、ヘッダーが正しく認識されない場合があります。また、contentオプションはPOSTリクエストなどでデータを送信する際に使用します。http_build_query関数を利用して、配列形式のデータをURLエンコードされた文字列に変換することで、安全にデータを送信できます。file_get_contents関数でHTTPリクエストを実行する際、エラーが発生する可能性があるので、戻り値がFALSEであるか確認し、適切にエラー処理を行うようにしてください。
PHP stream_context_createとcURLでHTTPリクエストを送信する
1<?php 2 3/** 4 * stream_context_create を使用して HTTP リクエストを送信する例。 5 * cURL を使用した場合との比較。 6 */ 7 8// stream_context_create を使用した例 9function streamContextExample(string $url): string 10{ 11 $options = [ 12 'http' => [ 13 'method' => 'GET', 14 'header' => "Content-type: text/plain\r\n", 15 'timeout' => 10 // タイムアウトを10秒に設定 16 ] 17 ]; 18 19 $context = stream_context_create($options); 20 $result = @file_get_contents($url, false, $context); // @ でエラーを抑制 21 22 if ($result === false) { 23 $error = error_get_last(); 24 return "Error: " . $error['message']; 25 } 26 27 return $result; 28} 29 30 31// cURL を使用した例 32function curlExample(string $url): string 33{ 34 $ch = curl_init($url); 35 36 curl_setopt($ch, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true); 37 curl_setopt($ch, CURLOPT_TIMEOUT, 10); // タイムアウトを10秒に設定 38 curl_setopt($ch, CURLOPT_HTTPHEADER, ["Content-type: text/plain"]); 39 40 $result = curl_exec($ch); 41 42 if (curl_errno($ch)) { 43 $error_msg = curl_error($ch); 44 curl_close($ch); 45 return "cURL Error: " . $error_msg; 46 } 47 48 curl_close($ch); 49 50 return $result; 51} 52 53// 使用例 54$url = 'https://www.example.com'; 55 56echo "stream_context_create Result:\n"; 57echo streamContextExample($url) . "\n\n"; 58 59echo "cURL Result:\n"; 60echo curlExample($url) . "\n";
stream_context_create関数は、ストリームコンテキストを作成するために使用されます。ストリームコンテキストとは、file_get_contentsなどのファイル操作関数やソケット関数に対して、オプションやパラメータを設定するためのものです。引数 $options には、HTTPメソッド、ヘッダー、タイムアウトなどのオプションを配列で指定します。引数 $params は、ストリームに関するパラメータを設定するために使用されますが、通常は $options のみを使用します。
このサンプルコードでは、stream_context_create を使用して HTTP GET リクエストを送信する方法を、cURL を使用した場合と比較して示しています。streamContextExample 関数は、stream_context_create で HTTP ヘッダーとタイムアウトを設定し、file_get_contents 関数で指定されたURLからコンテンツを取得します。エラーが発生した場合は、エラーメッセージを返します。 @ 演算子は、file_get_contents 関数で発生する可能性のあるエラーメッセージを抑制するために使用されています。
一方、curlExample 関数は、cURL ライブラリを使用して同様の HTTP リクエストを送信します。curl_setopt 関数で、HTTP ヘッダー、タイムアウト、およびレスポンスを文字列として返すオプションを設定しています。curl_exec 関数でリクエストを実行し、エラーが発生した場合はエラーメッセージを返します。
どちらの方法でも HTTP リクエストを送信できますが、cURL の方がより多くのオプションと柔軟性を提供します。しかし、stream_context_create は、cURL が利用できない環境や、よりシンプルな実装が必要な場合に役立ちます。戻り値は、作成されたストリームコンテキストを表すリソースです。
stream_context_create関数は、HTTPリクエストなどのストリーム処理の詳細な設定を行うために使用されます。file_get_contentsなどと組み合わせて利用する際、エラーが発生しやすいので、@でエラーを抑制し、error_get_last()で詳細なエラー情報を取得するようにしましょう。タイムアウト設定は必須ではありませんが、ネットワークの問題などで処理が止まるのを防ぐために設定することを推奨します。cURL拡張機能が利用可能な場合は、より柔軟なオプション設定やエラーハンドリングが可能なcURLの利用を検討してください。cURLを使う場合は、curl_errnoとcurl_errorでエラーをチェックし、リソースを解放するためにcurl_closeを必ず実行しましょう。