【PHP8.x】expm1関数の使い方
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expm1関数は、指定された数値x
に対して「eのx乗から1を引いた値(e^x - 1)」を計算する関数です。この関数は、数学定数e
(ネイピア数、約2.71828)を引数x
の累乗(べき乗)として計算し、その結果から1を減算します。
特に、引数x
が非常に小さい値、すなわち0に近い値である場合にこの関数の利点が発揮されます。一般的な計算方法であるexp(x) - 1
を直接実行すると、x
が0に近い場合、exp(x)
の結果が1に極めて近くなります。この状況で1を引くと、浮動小数点数の精度限界により、計算結果に大きな誤差(桁落ち)が生じる可能性があります。
expm1
関数は、このような計算誤差を回避し、x
が0に近い場合でも高い精度でe^x - 1
の値を計算するために特別に設計されています。このため、金融計算や科学技術計算など、微小な値の扱いが重要となる分野で役立ちます。
引数には計算対象となる数値を浮動小数点数(float)で指定します。戻り値も浮動小数点数(float)となり、正確に計算されたe^x - 1
の結果が返されます。この関数はPHP 8以降で利用可能です。
基本的な使い方
構文(syntax)
<?php
$inputFloat = 0.0;
$outputFloat = expm1($inputFloat);
?>
引数(parameters)
float $num
- float $num: $num は、e<sup>$num</sup> - 1 の値を計算するための浮動小数点数です。
戻り値(return)
float
eのx乗から1を引いた値(e^x - 1)を返します。この関数は、xが0に近い場合に、1 - exp(-x)よりも高い精度で計算できます。