【PHP8.x】stream_filter_prepend関数の使い方
stream_filter_prepend関数は、指定されたストリームにデータ変換のためのフィルターを先頭に追加する関数です。ストリームとは、ファイルやネットワーク接続など、データの流れを扱う抽象的な概念であり、この関数を用いることで、ストリームを通じて送受信されるデータをリアルタイムで加工できるようになります。
この関数の最大の特徴は、フィルターを「prepend(前置)」する点にあります。これにより、既にストリームに付加されている他のフィルターよりも、新しく追加されたフィルターが優先的に処理されるため、データの加工順序を正確に制御できます。例えば、ストリームから読み込んだ暗号化された圧縮データを、まず復号し、次に解凍するといった複雑な処理を順序立てて実行することが可能です。
関数には、フィルターを適用したいストリームリソース、使用するフィルターの名前(例: 'zlib.inflate'、'string.rot13'など)、フィルターを読み込み操作、書き込み操作、またはその両方に適用するかを指定するフラグ(STREAM_FILTER_READ、STREAM_FILTER_WRITE、STREAM_FILTER_ALL)、そしてフィルターに渡す追加のパラメータを引数として渡します。
処理が成功した場合、追加されたストリームフィルターを表すリソースが返されます。一方、フィルターの追加に失敗した場合は、ブール値のfalseが返されるため、エラーハンドリングを適切に行うことが重要です。この関数は、データの透過的な変換を実現し、アプリケーションの柔軟性と保守性を向上させるのに役立ちます。
基本的な使い方
構文(syntax)
<?php
$stream = fopen('php://temp', 'r+');
stream_filter_prepend($stream, 'string.rot13');
fclose($stream);
?>
引数(parameters)
$stream, string $filter_name, int $mode = 0, mixed $params = null
- resource $stream: フィルターを追加するストリームリソース
- string $filter_name: 追加するフィルターの名前
- int $mode = STREAM_FILTER_READ | STREAM_FILTER_WRITE: フィルターの適用モードを指定する整数
- mixed $params = null: フィルターに渡す追加のパラメータ
戻り値(return)
resource|false
ストリームフィルターをストリームの先頭に追加することに成功した場合は、新しく追加されたフィルターのリソースIDを返します。失敗した場合は false
を返します。