【PHP8.x】hypot関数の使い方
作成日: 更新日:
hypot関数は、与えられた2つの数値から直角三角形の斜辺の長さを計算する関数です。この関数は、ピタゴラスの定理(a² + b² = c²)に基づいて、直角を挟む2辺の長さであるxとyを受け取り、その結果として斜辺cの長さを浮動小数点数(float)として返します。
具体的には、hypot(x, y)
と記述することで、sqrt(x*x + y*y)
と同じ数学的な結果を得られますが、内部的な処理に大きな違いがあります。特に、xやyの値が非常に大きい場合や非常に小さい場合でも、計算途中で数値のオーバーフロー(扱える最大値を超えること)やアンダーフロー(扱える最小値に近づきすぎて精度を失うこと)が発生するリスクを低減し、より正確な結果を提供できるよう設計されています。
このため、幾何学的な計算、例えばグラフ上の2点間の距離を正確に求めたい場合や、物理シミュレーションにおけるベクトル合成など、数値の精度が重要となる場面で特に有用です。単純なsqrt(x*x + y*y)
という記述の代わりにhypot(x, y)
を使用することで、より堅牢で信頼性の高い数値計算を実現できます。PHP 8以降で利用可能ですので、数学的な処理を必要とするシステム開発において、ぜひ活用をご検討ください。
基本的な使い方
構文(syntax)
$result = hypot(3.0, 4.0);
引数(parameters)
float $x, float $y
- float $x: 直角三角形の底辺の長さを表す浮動小数点数
- float $y: 直角三角形の高さの長さを表す浮動小数点数
戻り値(return)
float
hypot関数は、2つの数値の平方根の合計をfloat型で返します。これは、直角三角形の斜辺の長さを計算する際に利用されます。