【PHP8.x】__constructメソッドの使い方

__constructメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

__constructメソッドは、新しくDOMDocumentオブジェクトを初期化し、作成するために呼び出される特殊なメソッドです。DOMDocumentクラスは、XMLやHTMLドキュメントをオブジェクトとしてメモリ上に表現し、その構造をプログラムから自由に操作するための機能を提供します。

このコンストラクタは、通常、new DOMDocument()のように使用され、引数としてドキュメントのXMLバージョンとエンコーディングを指定できます。一つ目の引数である$versionは、ドキュメントが準拠するXMLのバージョン(例: "1.0")を文字列で指定します。この引数はオプションであり、省略された場合、XML宣言は生成されません。二つ目の引数である$encodingは、ドキュメントの文字エンコーディング(例: "UTF-8")を文字列で指定します。こちらもオプションであり、省略された場合は、デフォルトのエンコーディングが使用されます。

DOMDocumentオブジェクトが初期化されると、その後のメソッドを通じて、XML宣言の追加、要素や属性の作成、既存のXML/HTMLファイルの読み込み、あるいは変更したドキュメントをファイルに保存するなどの操作が可能になります。このコンストラクタは、XML/HTMLドキュメント操作の基盤となるオブジェクトを準備する上で非常に重要な役割を果たします。

構文(syntax)

1new DOMDocument(?string $version = null, ?string $encoding = null);

引数(parameters)

string $version = '1.0', string $encoding = ''

  • string $version = '1.0': XML宣言のバージョンを指定する文字列。デフォルトは'1.0'です。
  • string $encoding = '': XML宣言のエンコーディングを指定する文字列。指定しない場合は、UTF-8が使用されます。

戻り値(return)

戻り値なし

戻り値はありません

サンプルコード

PHP 8 DOMDocument コンストラクタでバージョンとエンコーディングを設定する

1<?php
2
3/**
4 * DOMDocument のコンストラクタと property promotion の例
5 */
6class MyDOMDocument extends DOMDocument
7{
8    /**
9     * MyDOMDocument constructor.
10     *
11     * @param string $version  XML version. Defaults to '1.0'.
12     * @param string $encoding XML encoding. Defaults to ''.
13     */
14    public function __construct(
15        private string $version = '1.0',
16        private string $encoding = ''
17    ) {
18        parent::__construct($version, $encoding);
19    }
20
21    /**
22     * バージョンを返す
23     *
24     * @return string
25     */
26    public function getVersion(): string
27    {
28        return $this->version;
29    }
30
31    /**
32     * エンコーディングを返す
33     *
34     * @return string
35     */
36    public function getEncoding(): string
37    {
38        return $this->encoding;
39    }
40}
41
42// 使用例
43$myDom = new MyDOMDocument('1.0', 'UTF-8');
44
45// バージョンとエンコーディングの確認
46echo "Version: " . $myDom->getVersion() . PHP_EOL;
47echo "Encoding: " . $myDom->getEncoding() . PHP_EOL;

PHP 8における DOMDocument クラスのコンストラクタ __construct の使用例です。このコンストラクタは、新しい DOMDocument オブジェクトを生成する際に呼び出されます。

引数として $version$encoding を受け取ります。 $version はXMLのバージョンを指定する文字列で、デフォルト値は '1.0' です。 $encoding はXMLのエンコーディングを指定する文字列で、デフォルト値は空文字列 '' です。これらの引数は省略可能で、省略した場合はデフォルト値が使用されます。

この例では、MyDOMDocument クラスを DOMDocument クラスから継承し、コンストラクタ内で property promotion を使用しています。Property promotion を使用することで、コンストラクタの引数として渡された $version$encoding の値を、クラスのprivateプロパティとして直接定義できます。これにより、コンストラクタ内でプロパティを別途定義し、値を代入する手間を省くことができます。

parent::__construct($version, $encoding); の部分では、親クラスである DOMDocument のコンストラクタを呼び出し、バージョンとエンコーディングの設定を引き継いでいます。

getVersion() メソッドと getEncoding() メソッドは、それぞれ $version プロパティと $encoding プロパティの値を返すメソッドです。

サンプルコードの後半では、MyDOMDocument クラスのインスタンスを生成し、getVersion()getEncoding() メソッドを使用して、設定されたバージョンとエンコーディングの値を出力しています。この例では、バージョンとして '1.0'、エンコーディングとして 'UTF-8' を指定しています。

DOMDocumentクラスのコンストラクタ__constructの利用例です。この例では、PHP8のproperty promotionという機能を使っています。コンストラクタの引数でprivateキーワードを使うことで、クラスのプロパティ定義と初期化を同時に行えます。これによりコードが簡潔になります。

注意点として、親クラス(DOMDocument)のコンストラクタをparent::__construct()で必ず呼び出す必要があります。引数の順番も親クラスのコンストラクタに合わせてください。

property promotionで定義されたプロパティは、クラス外部から直接アクセスできません。そのため、getValue()のようなゲッターメソッドを通じて値を取得します。

PHP DOMDocument の __construct でXMLを作成する

1<?php
2
3/**
4 * DOMDocument のコンストラクタの例
5 */
6try {
7    // UTF-8 エンコーディングの DOMDocument を作成
8    $dom = new DOMDocument('1.0', 'UTF-8');
9
10    // ルート要素を作成
11    $root = $dom->createElement('root');
12    $dom->appendChild($root);
13
14    // 子要素を追加
15    $child = $dom->createElement('child', 'Hello, World!');
16    $root->appendChild($child);
17
18    // XML を出力
19    echo $dom->saveXML();
20
21} catch (Exception $e) {
22    echo "エラーが発生しました: " . $e->getMessage() . "\n";
23}

PHPのDOMDocumentクラスのコンストラクタ__constructは、新しいDOMDocumentオブジェクトを生成するために使用します。このコンストラクタは、XMLドキュメントのバージョンとエンコーディングを指定するための引数を受け取ります。

$version引数は、XMLのバージョンを指定します。デフォルト値は '1.0' です。$encoding引数は、ドキュメントの文字エンコーディングを指定します。デフォルトではエンコーディングは指定されません。

サンプルコードでは、まずnew DOMDocument('1.0', 'UTF-8')によって、バージョン1.0、エンコーディングUTF-8のDOMDocumentオブジェクトが作成されます。次に、createElementメソッドでルート要素(この例では'root')を作成し、appendChildメソッドでドキュメントに追加します。同様に、子要素('child')も作成し、ルート要素に追加しています。最後に、saveXMLメソッドを使用して、XMLドキュメントを文字列として出力します。

try-catchブロックを使用することで、DOMDocumentの作成中にエラーが発生した場合でも、エラーメッセージを表示してプログラムが中断しないようにしています。このコンストラクタは戻り値を持ちません。つまり、オブジェクトの生成が成功したかどうかは、例外が発生したかどうかで判断します。DOMDocumentオブジェクトを初期化し、XMLドキュメントの操作を開始するための基本的な手順を示す例です。

DOMDocumentのコンストラクタは、XMLドキュメントのバージョンとエンコーディングを指定して初期化するために使用します。引数を省略した場合、デフォルトでバージョンは'1.0'、エンコーディングは空文字列となります。UTF-8などのエンコーディングを指定することで、日本語などのマルチバイト文字を扱う際に文字化けを防ぐことができます。コンストラクタで指定したエンコーディングは、後から$dom->encodingプロパティで変更できます。XMLドキュメント作成後、saveXML()メソッドでファイルに保存したり、文字列として出力する際に、指定したエンコーディングが適用されます。例外処理を追加することで、エラー発生時の対応を記述できます。

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