【PHP8.x】querySelectorAllメソッドの使い方

querySelectorAllメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 2025年09月11日更新日: 2025年11月10日

基本的な使い方

querySelectorAllメソッドは、Dom\XMLDocumentクラスに属し、XMLドキュメント内から指定されたCSSセレクターに一致するすべての要素を検索し、それらの要素のリストを取得するメソッドです。このメソッドは、WebページやXMLデータから特定の情報や構造を持つ複数の要素を効率的に抽出する際に非常に役立ちます。

CSSセレクターとは、HTMLやXMLドキュメント内で要素を特定するためのパターンを記述する文字列のことです。例えば、特定のタグ名を持つ要素、特定のクラスが適用されている要素、特定のIDを持つ要素、または特定の属性を持つ要素などを指定できます。querySelectorAllメソッドにこのCSSセレクター文字列を引数として渡すことで、ドキュメントツリー全体を走査し、条件に合致するすべてのノードを見つけ出します。

検索結果は、DOMNodeListという形式で返されます。これは、取得された要素を順序付けられたリストとして保持するオブジェクトであり、プログラムからそれぞれの要素にアクセスして操作することが可能です。もし一致する要素が一つも存在しない場合は、空のDOMNodeListが返されます。

このメソッドを利用することで、XMLドキュメントの複雑な構造から必要なデータを一括で取得し、その後のデータ処理や表示に活用することができます。システム開発において、XMLベースの設定ファイルやデータソースから特定の情報を抽出する場面で頻繁に用いられる基本的な機能の一つです。適切なCSSセレクターを使用することが、正確な要素の取得に繋がります。

構文(syntax)


1<?php
2
3$document = new Dom\XMLDocument();
4// $document->loadXML('...'); // XMLコンテンツをロード
5$nodeList = $document->querySelectorAll('css_selector_string');
6
7?>

引数(parameters)

string $selectors

string $selectors: 検索対象となるCSSセレクター文字列

戻り値(return)

Dom\NodeList

指定されたCSSセレクターに一致するすべての要素のリストを返します。このリストはDom\NodeListオブジェクトとして提供されます。

サンプルコード

PHP DOMDocument querySelectorAllで要素を取得する


1<?php
2
3// HTML文字列を定義します。
4$html = <<<HTML
5<!DOCTYPE html>
6<html>
7<head>
8    <title>Example</title>
9</head>
10<body>
11    <div class="container">
12        <p class="item">Item 1</p>
13        <p class="item">Item 2</p>
14        <p>Item 3</p>
15    </div>
16</body>
17</html>
18HTML;
19
20// DOMDocumentオブジェクトを作成します。
21$dom = new DOMDocument();
22
23// HTMLをロードします。
24$dom->loadHTML($html);
25
26// querySelectorAllメソッドを使用して、指定されたCSSセレクタに一致するすべての要素を取得します。
27$nodeList = $dom->querySelectorAll('.item');
28
29// 取得したNodeListをループして、各要素のテキストコンテンツを出力します。
30foreach ($nodeList as $node) {
31    echo $node->textContent . PHP_EOL;
32}
33
34?>

PHP 8のDom\XMLDocumentクラスにおけるquerySelectorAllメソッドは、CSSセレクタに基づいて要素を検索する際に非常に役立ちます。このメソッドは、指定されたCSSセレクタに合致するすべての要素をDom\NodeListオブジェクトとして返します。引数$selectorsには、検索に使用するCSSセレクタの文字列を指定します。

上記のサンプルコードでは、まずHTML文字列を定義し、それをDOMDocumentオブジェクトに読み込んでいます。$dom->loadHTML($html)によってHTMLが解析され、DOMツリーが構築されます。

次に、$dom->querySelectorAll('.item')を実行することで、クラス名がitemであるすべての要素を検索しています。このメソッドは、一致する要素をDom\NodeListとして返し、その結果は$nodeList変数に格納されます。

最後に、foreachループを使用して、$nodeList内の各DOMNodeオブジェクトを処理しています。$node->textContentによって、各要素のテキストコンテンツを取得し、echoで出力しています。PHP_EOLは改行を表し、各要素のテキストコンテンツが改行区切りで表示されるようにしています。

このようにquerySelectorAllメソッドを利用することで、特定の条件に合致する要素を簡単に抽出し、操作することができます。このメソッドは、HTMLやXMLドキュメントの特定の要素を効率的に処理するために不可欠なツールです。

querySelectorAllメソッドは、CSSセレクタを使って要素を検索する強力な機能ですが、いくつか注意点があります。まず、このメソッドはDOMDocumentオブジェクトにHTMLをロードした後でのみ使用可能です。loadHTMLメソッドでHTMLを読み込むのを忘れないでください。セレクタの指定ミスにも注意が必要です。.itemのようにクラスを指定する場合は、.を忘れないようにしましょう。また、返り値はDOMNodeListオブジェクトであるため、通常の配列のように扱うことはできません。foreachなどでループ処理を行い、各要素にアクセスする必要があります。HTML構造が複雑な場合、セレクタが意図しない要素にマッチする可能性もあるため、セレクタは慎重に設計してください。