【PHP8.x】firstChildプロパティの使い方

firstChildプロパティの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 2025年09月11日更新日: 2025年10月29日

基本的な使い方

firstChildプロパティは、あるノードが持つ最初の子ノードを保持するプロパティです。DOM（Document Object Model）において、HTMLやXML文書はノードと呼ばれるオブジェクトの階層構造で表現されます。このプロパティは、特定のノードの直下に存在する子ノード群の中から、文書上で最初に登場する一つ目のノードを取得するために使用されます。例えば、ある要素ノードが複数の子要素やテキストノードを持っている場合、このプロパティはその先頭に位置するノードのオブジェクトを返します。もし対象のノードに子ノードが一つも存在しない場合、このプロパティは null を返します。したがって、このプロパティから得られた値を利用する際には、null でないことを確認する処理を記述することが重要です。なお、このプロパティは読み取り専用であり、直接値を代入して子ノードを変更したり追加したりすることはできません。DOM構造を操作する場合は、appendChildやinsertBeforeなどの専用メソッドを使用する必要があります。

構文(syntax)


1<?php
2
3$dom = new Dom\Document();
4$element = $dom->createElement('parent');
5$child = $dom->createElement('child');
6$element->appendChild($child);
7
8$firstChildNode = $element->firstChild;
9
10if ($firstChildNode !== null) {
11    echo "最初の要素の子ノード名: " . $firstChildNode->nodeName;
12} else {
13    echo "最初の子ノードはありません。";
14}
15
16?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

Dom\Node|null

このプロパティは、現在のノードの最初の子ノードを返します。子ノードがない場合は null を返します。

サンプルコード

PHP DOM firstChildで最初の子ノードを取得する


1<?php
2
3/**
4 * PHPのDOM拡張における Dom\Node::firstChild プロパティの使用方法をデモンストレーションします。
5 *
6 * firstChild プロパティは、特定のノードの最初の子ノードを返します。
7 * もし子ノードが存在しない場合は、null を返します。
8 *
9 * @param string $html デモンストレーションに使用するHTML文字列。
10 */
11function demonstrateDomNodeFirstChild(string $html): void
12{
13    // 新しい DOMDocument オブジェクトを作成します。
14    // DOMDocument はHTMLやXMLドキュメントを解析・操作するためのクラスです。
15    $dom = new DOMDocument();
16
17    // HTML文字列をDOMDocumentにロードします。
18    // 警告を避けるためにエラー抑制演算子(@)を使用していますが、
19    // 本番環境では libxml_use_internal_errors(true) などで
20    // より堅牢なエラーハンドリングを行うことが推奨されます。
21    @$dom->loadHTML($html);
22
23    echo "--- Dom\\Node::firstChild デモンストレーション ---\n";
24    echo "解析対象のHTML:\n" . htmlspecialchars($html) . "\n\n";
25
26    // ドキュメントのルート要素 (通常は <html> タグ) を取得します。
27    // DOMDocument::documentElement は Dom\Element オブジェクトを返します。
28    // Dom\Element は Dom\Node を継承しているため、firstChild プロパティが利用できます。
29    $rootElement = $dom->documentElement;
30
31    if ($rootElement instanceof Dom\Node) {
32        echo "ルート要素 '{$rootElement->nodeName}' が見つかりました。\n";
33
34        // ルート要素 (例: <html>) の最初の子ノードを取得します。
35        // 通常、HTMLドキュメントの <html> タグの最初の子は <head> タグです。
36        $firstHtmlChild = $rootElement->firstChild;
37
38        if ($firstHtmlChild instanceof Dom\Node) {
39            echo "  '{$rootElement->nodeName}' の最初の子ノード: '{$firstHtmlChild->nodeName}'\n";
40
41            // 取得した最初の子ノード (例: <head>) の最初の子ノードを取得します。
42            // 通常、<head> タグの最初の子は <title> タグです。
43            $firstHeadChild = $firstHtmlChild->firstChild;
44
45            if ($firstHeadChild instanceof Dom\Node) {
46                echo "    '{$firstHtmlChild->nodeName}' の最初の子ノード: '{$firstHeadChild->nodeName}'\n";
47
48                // <title> タグの最初の子ノードを取得します。
49                // <title> タグの最初の子は通常、タイトルテキストを表すテキストノードです。
50                $firstTitleChild = $firstHeadChild->firstChild;
51
52                if ($firstTitleChild instanceof Dom\Node) {
53                    echo "      '{$firstHeadChild->nodeName}' の最初の子ノード: '{$firstTitleChild->nodeName}' (値: '{$firstTitleChild->nodeValue}')\n";
54                } else {
55                    echo "      '{$firstHeadChild->nodeName}' には子ノードがありません。\n";
56                }
57            } else {
58                echo "    '{$firstHtmlChild->nodeName}' には子ノードがありません。\n";
59            }
60        } else {
61            echo "  '{$rootElement->nodeName}' には子ノードがありません。\n";
62        }
63    } else {
64        echo "ドキュメントにルート要素が見つかりませんでした。(HTMLが空か不正な可能性があります。)\n";
65    }
66
67    echo "\n--- 子ノードがない場合の firstChild (null を返すケース) ---\n";
68    // 子ノードを全く持たない要素を作成します。
69    $emptyElement = $dom->createElement('empty_tag');
70
71    // firstChild プロパティが null を返すことを確認します。
72    if ($emptyElement->firstChild === null) {
73        echo "  '{$emptyElement->nodeName}' には子ノードがないため、firstChild は期待通り null を返しました。\n";
74    } else {
75        echo "  エラー: '{$emptyElement->nodeName}' の firstChild は null ではありませんでした。\n";
76    }
77
78    echo "--- デモンストレーション終了 ---\n";
79}
80
81// デモンストレーション用のHTML文字列
82$sampleHtml = <<<'HTML'
83<!DOCTYPE html>
84<html>
85<head>
86    <title>PHP DOM Example</title>
87</head>
88<body>
89    <p>Hello, World!</p>
90</body>
91</html>
92HTML;
93
94// 関数を実行して、Dom\Node::firstChild の動作を確認します。
95demonstrateDomNodeFirstChild($sampleHtml);
96
97echo "\n--- 別のシンプルなHTML構造での実行例 ---\n";
98$simpleHtml = <<<'HTML'
99<div>
100    <span>First Span</span>
101    <span>Second Span</span>
102</div>
103HTML;
104demonstrateDomNodeFirstChild($simpleHtml);
105
106echo "\n--- 子要素を持たないHTML構造での実行例 ---\n";
107$noChildrenHtml = <<<'HTML'
108<div></div>
109HTML;
110demonstrateDomNodeFirstChild($noChildrenHtml);
111

PHP 8のDom\Node::firstChildプロパティは、HTMLやXMLドキュメントの構造をプログラムで操作する際に非常に重要な役割を果たします。このプロパティは、特定のノード（要素やテキストなど、ドキュメント内の各部品を指します）の直下にある「最初の子ノード」を取得するために使用されます。引数はなく、戻り値として最初の子ノードを表すDom\Nodeオブジェクトを返します。もし該当する子ノードが一つも存在しない場合は、nullを返します。

サンプルコードでは、まずDOMDocumentクラスを用いてHTML文字列を解析し、HTMLドキュメント全体の構造をメモリ上に表現します。その後、ドキュメントのルート要素である<html>タグ（$dom->documentElementで取得）から処理を開始します。この<html>タグのfirstChildプロパティを呼び出すことで、通常は<head>タグにあたる最初の子ノードを取得します。さらに、取得した<head>タグのfirstChildを呼び出して<title>タグを取得し、最終的に<title>タグのfirstChildでタイトルテキストそのものであるテキストノードにアクセスする流れが示されています。これにより、HTMLの階層構造をプログラム的に深く辿っていく様子が理解できます。

また、子ノードを一つも持たない要素に対してfirstChildを適用した場合にnullが返される例も示されており、これによりプロパティが安全に利用できることがわかります。このように、firstChildプロパティは、ドキュメント内の特定の位置にある情報を読み取ったり、編集したりするための基本的な入り口として活用されます。

Dom\Node::firstChildプロパティは、対象ノードの最初の子ノードを返しますが、子ノードが存在しない場合はnullを返します。そのため、戻り値を扱う際には、必ずnullでないか、またはinstanceof Dom\Nodeでノードオブジェクトであることを確認してから操作を行ってください。このチェックを怠ると、nullに対するプロパティアクセスエラーが発生します。また、HTMLを解析するDOMDocument::loadHTMLメソッドは、不正なHTMLに対して警告やエラーを発生させる可能性があります。本番環境では、@演算子で抑制するのではなく、libxml_use_internal_errors(true)などを用いて堅牢なエラーハンドリングを実装することが推奨されます。DOM操作では、ノードが要素なのか、テキストなのかといった種類も考慮するとより安全です。

PHP DOM firstChild で最初の子ノードを取得する


1<?php
2
3declare(strict_types=1);
4
5/**
6 * Dom\Node::firstChild プロパティの使用例を示します。
7 *
8 * 指定されたHTML文字列を解析し、特定の要素の
9 * 最初の子ノードを取得して、その情報を出力します。
10 */
11function showFirstChildExample(): void
12{
13    // 操作対象となるHTML文字列
14    $html = <<<HTML
15    <!DOCTYPE html>
16    <html>
17    <body>
18        <div id="container">
19            <p>これは最初のテキストです。<em>強調されたテキスト</em>が続きます。</p>
20            <p></p>
21        </div>
22    </body>
23    </html>
24    HTML;
25
26    // DOMDocumentオブジェクトをインスタンス化
27    $dom = new DOMDocument();
28
29    // HTMLを読み込む (エラーを抑制し、HTML5のタグを適切に扱う)
30    @$dom->loadHTML($html, LIBXML_HTML_NOIMPLIED | LIBXML_HTML_NODEFDTD);
31
32    // 最初の<p>要素を取得
33    $paragraph = $dom->getElementsByTagName('p')->item(0);
34
35    // <p>要素が存在することを確認
36    if ($paragraph instanceof DOMNode) {
37        // firstChildプロパティを使って最初の子ノードを取得
38        // この例では、「これは最初のテキストです。」というテキストノードが該当します。
39        $firstChild = $paragraph->firstChild;
40
41        // 取得した子ノードがnullでないことを確認
42        if ($firstChild instanceof DOMNode) {
43            // ノード名（テキストノードの場合は #text）とノードの値を出力
44            echo 'ノード名: ' . $firstChild->nodeName . PHP_EOL;
45            echo 'ノードの値: "' . trim($firstChild->nodeValue) . '"' . PHP_EOL;
46        } else {
47            echo '最初の<p>要素には子ノードがありません。' . PHP_EOL;
48        }
49    }
50}
51
52// 関数を実行して結果を表示
53showFirstChildExample();

PHP 8のDom\Node::firstChildプロパティは、DOM（Document Object Model）ツリー内の特定のノードが持つ最初の子ノードを取得するために使用されます。これはHTMLやXML文書の構造をプログラムで操作する際に非常に便利なプロパティです。

このプロパティは引数を必要とせず、呼び出されたノードの直下にある最初の子ノードをDom\Nodeオブジェクトとして返します。もし対象のノードに子ノードが一つも存在しない場合は、nullを返します。この戻り値の挙動により、子ノードの有無をプログラムで簡単に判別することが可能です。

提供されたサンプルコードでは、まずHTML文字列を読み込み、DOMDocumentオブジェクトを使って解析し、DOMツリーを構築しています。次に、getElementsByTagName('p')->item(0)メソッドを用いて、文書内から最初の要素を取得しています。この取得した要素（変数$paragraph）に対して$paragraph->firstChildプロパティを使用することで、その要素の直下にある最初の子ノードを取得しています。

この具体的な例では、「これは最初のテキストです。強調されたテキストが続きます。」という要素から、「これは最初のテキストです。」という内容のテキストノードが最初の子ノードとして取得されます。コードは、取得した子ノードがnullではないことを確認した上で、そのノードの名前（テキストノードの場合は#text）とノードの値を出力しています。このように、firstChildプロパティを活用することで、文書構造内の特定の部分にアクセスし、その内容を効率的に取得・操作することができます。

Dom\Node::firstChildプロパティは、子ノードが存在しない場合にnullを返します。そのため、取得した結果に対して必ずif ($variable instanceof Dom\Node)などで型チェックを行い、nullでないことを確認してから操作してください。これを怠ると、実行時にエラーが発生する可能性があります。

また、このプロパティはHTML上の要素だけでなく、要素間の改行や空白もテキストノードとして認識し、最初の子ノードとして返すことがあります。期待する要素が取得できない場合は、DOMツリーの構造をよく確認することが重要です。

サンプルコード中の@記号によるエラー抑制は、問題を発見しにくくするため、開発時や本番環境での利用は避けてください。適切なエラーハンドリングを実装することが安全なコードのために推奨されます。PHP 8では名前空間付きのDom\Nodeクラスが推奨されています。