【PHP8.x】createTextNodeメソッドの使い方

createTextNodeメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

createTextNodeメソッドは、DOM(Document Object Model)におけるDom\HTMLDocumentクラスに属するメソッドであり、新しいテキストノードを作成するために使用されます。DOMは、HTMLやXMLドキュメントをプログラムから操作するための標準的なインターフェースを提供します。テキストノードは、ドキュメント内のテキストコンテンツを表す基本的な要素です。

このメソッドは、引数としてテキスト文字列を受け取り、その文字列を値として持つ新しいDOMTextオブジェクトを生成します。生成されたテキストノードは、まだドキュメントツリーには追加されていません。そのため、appendChildなどのメソッドを使用して、適切な場所に挿入する必要があります。

createTextNodeメソッドを利用することで、HTMLドキュメントに動的にテキストコンテンツを追加したり、既存のテキストコンテンツをプログラムによって変更したりすることが可能になります。例えば、ユーザーの入力に基づいて生成されたテキストを、ウェブページ上の特定の場所に挿入する、といった処理を実装できます。

このメソッドは、HTMLドキュメントの構造を操作する上で非常に重要な役割を果たします。特に、ウェブアプリケーションにおいて、クライアントサイドのJavaScriptと連携して、動的なコンテンツ生成やデータ表示を行う際に頻繁に使用されます。createTextNodeメソッドを使用することで、開発者はHTMLドキュメントの構造を柔軟に制御し、インタラクティブなウェブ体験を提供することができます。

セキュリティの観点からは、createTextNodeメソッドに渡すテキスト文字列は適切にエスケープ処理を行うことが重要です。これは、悪意のあるスクリプトがテキストコンテンツを通じて注入されるのを防ぐためです。特に、ユーザーからの入力を直接createTextNodeメソッドに渡す場合は、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃のリスクを軽減するために、注意が必要です。

構文(syntax)

1Dom\HTMLDocument::createTextNode(string $data): Dom\Text

引数(parameters)

string $data

  • string $data: ノードとして作成したいテキストコンテンツを指定する文字列

戻り値(return)

Dom\Text

このメソッドは、指定された文字列を内容とする新しいテキストノードを生成し、DOMDocumentオブジェクトのツリー内に挿入します。生成されたテキストノードのオブジェクトが返されます。

サンプルコード

PHP DOMDocument createTextNodeでテキストノードを作成する

1<?php
2
3declare(strict_types=1);
4
5// 1. 新しいHTMLドキュメントオブジェクトを作成します。
6// Dom\HTMLDocumentをインスタンス化すると、基本的なHTMLの骨格が作られます。
7$dom = new Dom\HTMLDocument();
8
9// 2. 新しい段落要素 (<p>) を作成します。
10$paragraph = $dom->createElement('p');
11
12// 3. createTextNode() を使い、文字列から新しいテキストノードを作成します。
13// このテキストが <p> タグの中身になります。
14$text = $dom->createTextNode('こんにちは、DOMの世界へ!');
15
16// 4. テキストノードを段落要素 (<p>) の子として追加します。
17// これで <p>こんにちは、DOMの世界へ!</p> という構造が完成します。
18$paragraph->appendChild($text);
19
20// 5. <body> タグを取得し、その子として段落要素を追加します。
21$body = $dom->getElementsByTagName('body')->item(0);
22$body->appendChild($paragraph);
23
24// 6. 構築されたHTMLドキュメント全体を文字列として出力します。
25// saveHTML() は、メモリ上のDOMツリーをHTML文字列に変換します。
26echo $dom->saveHTML();
27
28/*
29実行結果の例:
30
31<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/REC-html40/loose.dtd">
32<html><body><p>こんにちは、DOMの世界へ!</p></body></html>
33*/

Dom\HTMLDocument::createTextNode()は、PHPでプログラム的にHTMLを構築する際に、表示される文字列部分、すなわち「テキストノード」を生成するためのメソッドです。HTMLタグに囲まれた文字は、DOM(Document Object Model)というデータ構造上では、タグ自体とは別の「テキストノード」として扱われます。

このメソッドは、引数として渡された文字列(string $data)からテキストノードを作成します。サンプルコードの$dom->createTextNode('こんにちは、DOMの世界へ!')では、この文字列がテキストノードの内容になります。

メソッドの戻り値は、新しく作成されたテキストノードオブジェクト(Dom\Text型)です。ただし、このオブジェクトは作成された時点ではまだドキュメントのどこにも配置されていません。そのため、createElement()などで作成した段落要素(<p>)などに対し、appendChild()メソッドを使って子要素として追加する必要があります。

サンプルコードでは、この手順を経てテキストノードを段落要素に組み込み、最終的にsaveHTML()で出力することで、<p>こんにちは、DOMの世界へ!</p>というHTMLの一部を動的に生成しています。

createTextNodeメソッドは、単なる文字列をDOMツリーで扱える「テキストノード」オブジェクトに変換します。要素にテキストを追加する際、appendChildメソッドに文字列を直接渡すことはできないため、必ずこのメソッドでノードに変換してから追加する必要があります。このメソッドの重要な点は、引数に渡された文字列内の<>などのHTML特殊文字を自動的にエスケープしてくれることです。これにより、意図せずHTMLタグとして解釈されることを防ぎ、安全にテキストをドキュメントに挿入できます。作成したテキストノードは、最終的にappendChildで他の要素の子として追加しないと、HTMLには反映されないので注意しましょう。

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