【PHP8.x】firstChildプロパティの使い方

firstChildプロパティの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 2025年09月11日更新日: 2025年12月14日

基本的な使い方

firstChildプロパティは、この処理命令ノードの最初の子ノードを保持するプロパティです。このプロパティは、DOMツリー内のすべてのノードが共通して持つDom\Nodeクラスから継承されています。しかし、Dom\ProcessingInstructionクラスが表現する処理命令ノード（例: <?xml-stylesheet ... ?>）は、XMLやHTMLの仕様上、子ノードを持つことができない構造になっています。処理命令はそれ自体で完結しており、内部に要素やテキストなどの子ノードを含むことはありません。したがって、Dom\ProcessingInstructionオブジェクトに対してfirstChildプロパティを参照した場合、その値は常にnullとなります。これはエラーではなく、ノードの種類に応じた仕様通りの動作です。このプロパティはDOMの階層構造における一貫性を保つために存在しますが、処理命令ノードにおいては実質的な子ノードを示さない点に注意が必要です。また、このプロパティは読み取り専用であり、値を代入しようとするとエラーが発生します。

構文(syntax)


1<?php
2
3$document = new Dom\Document();
4$pi = $document->createProcessingInstruction('php', 'echo "Hello World";');
5
6// Dom\ProcessingInstruction オブジェクトの firstChild プロパティを取得します。
7// ProcessingInstruction ノードは子ノードを持てないため、この値は常に null です。
8$firstChild = $pi->firstChild;
9
10var_dump($firstChild);
11
12?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

Dom\Node|null

このプロパティは、処理命令ノードの最初の子ノードを返します。子ノードが存在しない場合は null を返します。

サンプルコード

PHP DOMProcessingInstruction firstChild を確認する


1<?php
2
3declare(strict_types=1);
4
5/**
6 * DOMProcessingInstruction の firstChild プロパティの使用例を示します。
7 *
8 * この関数は、XML文書から処理命令ノードを取得し、その firstChild プロパティを
9 * 確認します。処理命令ノードは子ノードを持たないため、firstChild は常に null となります。
10 */
11function getProcessingInstructionFirstChildExample(): void
12{
13    // 処理命令 (<?xml-stylesheet ...?>) を含むXML文字列を定義します。
14    $xmlString = '<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
15<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>
16<root/>';
17
18    // DOMDocument オブジェクトを作成し、XML文字列を読み込みます。
19    $dom = new DOMDocument();
20    $dom->loadXML($xmlString);
21
22    // ドキュメントの2番目の子ノード（処理命令ノード）を取得します。
23    // ※ item(0) はXML宣言 <?xml ...?> です。
24    $piNode = $dom->childNodes->item(1);
25
26    // 取得したノードが DOMProcessingInstruction インスタンスか確認します。
27    if ($piNode instanceof DOMProcessingInstruction) {
28        echo '対象の処理命令ノード: ' . $dom->saveXML($piNode) . PHP_EOL;
29
30        // firstChild プロパティは、ノードの最初の子ノードを返します。
31        // 処理命令ノードは構造上、子ノードを持つことができないため、
32        // このプロパティの値は常に null になります。
33        $firstChild = $piNode->firstChild;
34
35        echo 'firstChildプロパティの値: ';
36        var_dump($firstChild); // 出力: NULL
37    } else {
38        echo '処理命令ノードが見つかりませんでした。' . PHP_EOL;
39    }
40}
41
42// 関数を実行します。
43getProcessingInstructionFirstChildExample();
44

このPHPサンプルコードは、XML文書内の処理命令ノード（Processing Instruction）を表すDom\ProcessingInstructionオブジェクトのfirstChildプロパティの動作を解説します。

firstChildプロパティは、あるノードが持つ最初の子ノードを取得するために使用されます。子ノードが存在する場合はそのノードオブジェクト（Dom\Node）を返し、存在しない場合はnullを返します。

このコードでは、まず<?xml-stylesheet ...?>という処理命令を含むXML文字列を準備します。次にDOMDocumentクラスでXMLを解析し、目的の処理命令ノードを取得します。そして、その処理命令ノードのfirstChildプロパティにアクセスし、結果をvar_dump関数で表示しています。

XMLの仕様上、処理命令ノードは子ノードを持つことができません。そのため、Dom\ProcessingInstructionオブジェクトのfirstChildプロパティの値は常にnullとなります。このサンプルコードは、実際にプロパティの値がnullになることを実行結果で示しています。要素ノードなど他のノードとは異なり、処理命令ノードには子が存在しないという点を理解することが重要です。

このコードで最も重要な点は、処理命令ノード（<?...?>）はXMLの仕様上、子ノードを持つことができないため、firstChildプロパティは常にnullを返すという事実です。このプロパティを処理命令ノードに使う実用的な意味はほとんどありません。コード内の$dom->childNodes->item(1)のようにインデックス番号でノードを指定する方法は、XMLの構造が少しでも変わると意図しないノードを取得する可能性があり、注意が必要です。そのため、取得したノードのプロパティを安全に利用するために、instanceofを使って期待するノードの種類であるかを確認する処理は、エラーを防ぐ上で非常に重要となります。