【PHP8.x】headプロパティの使い方

headプロパティの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 2025年09月11日更新日: 2025年11月07日

基本的な使い方

headプロパティは、HTMLドキュメントの<head>要素を保持するプロパティです。このプロパティは、Dom\HTMLDocumentクラスのインスタンスが表すHTMLドキュメントの中から、<head>タグで囲まれた部分に直接アクセスするために利用されます。HTMLにおいて<head>要素は、ドキュメントのメタデータ、例えばページのタイトル（<title>）、文字エンコーディング（<meta charset="...">）、外部スタイルシート（<link rel="stylesheet">）、スクリプト（<script>）の参照など、ブラウザには直接表示されないものの、ドキュメントの処理や表示に重要な情報を含んでいます。

headプロパティにアクセスすると、そのHTMLドキュメントにおける<head>要素を表すDom\Elementオブジェクトが返されます。このDom\Elementオブジェクトを通じて、開発者は<head>要素の子ノードを追加したり、既存のノードの内容を変更したり、属性を設定したりするなど、DOM（Document Object Model）の操作をプログラム的に行えるようになります。例えば、実行時にページのタイトルを動的に変更したり、特定の条件に基づいて追加のCSSやJavaScriptファイルを読み込むための<link>タグや<script>タグを挿入したりすることが可能です。

このプロパティは、Webスクレイピングで特定のメタ情報を抽出する場合や、サーバーサイドでHTMLコンテンツを動的に生成・調整するアプリケーションを開発する際に、HTMLドキュメントの構造を安全かつ効率的に操作するための重要な手段を提供します。

構文(syntax)


1<?php
2
3$dom = new DOM\DOMImplementation();
4$htmlDocument = $dom->createHTMLDocument('Example Title');
5
6$headElement = $htmlDocument->head;
7
8?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

Dom\HTMLHeadElement|null

この head プロパティは、HTMLドキュメントの <head> 要素を表す Dom\HTMLHeadElement オブジェクトを返します。もし <head> 要素が存在しない場合は null を返します。

サンプルコード

PHP DomDocumentでhead要素を取得する


1<?php
2
3// Dom\HTMLDocument クラスを使用して HTML ドキュメントを操作する例
4
5// HTML ドキュメントを文字列として定義
6$htmlString = <<<HTML
7<!DOCTYPE html>
8<html>
9<head>
10    <title>Sample Document</title>
11</head>
12<body>
13    <h1>Hello, world!</h1>
14</body>
15</html>
16HTML;
17
18// Dom\HTMLDocument オブジェクトを作成
19$dom = new DOMDocument();
20
21// HTML 文字列をロード
22$dom->loadHTML($htmlString);
23
24// head プロパティにアクセス
25$head = $dom->documentElement->getElementsByTagName('head')->item(0);
26
27// head 要素が存在する場合、内容を表示
28if ($head) {
29    echo "Head 要素が存在します。\n";
30    // 必要に応じて、head 要素の内容を操作できます
31    echo "Head タグの内容：" . $dom->saveHTML($head) . "\n";
32} else {
33    echo "Head 要素が存在しません。\n";
34}
35
36?>

このサンプルコードは、PHPのDOM拡張を用いて、HTMLドキュメント内の<head>要素にアクセスする方法を示しています。具体的には、Dom\HTMLDocumentクラスのheadプロパティを利用します。

まず、HTMLの文字列を定義し、DOMDocumentオブジェクトを作成してそのHTMLをロードします。Dom\HTMLDocumentは、HTMLドキュメント全体を表すクラスであり、loadHTML()メソッドによってHTML文字列を解析し、DOMツリーを構築します。

次に、$dom->documentElement->getElementsByTagName('head')->item(0)によって<head>要素を取得しています。 documentElementはドキュメントのルート要素（<html>タグ）を表し、getElementsByTagName('head')は<html>タグ内にあるすべての<head>タグを持つDOMNodeListを返します。 item(0)は、返されたリストの最初の要素、つまり最初の<head>タグを取得します。

headプロパティは、Dom\HTMLHeadElementオブジェクト、つまり<head>要素に対応するオブジェクトを返します。もし<head>要素が存在しない場合は、nullを返します。

サンプルコードでは、取得した<head>要素が存在するかどうかを確認し、存在する場合はその内容を表示しています。$dom->saveHTML($head)は、指定されたDOMノード（ここでは<head>要素）をHTML文字列として出力します。この方法で、<head>要素の内容を操作したり、情報を抽出したりすることが可能です。このサンプルは、HTMLドキュメントをPHPで処理する際の基本的な手順と、headプロパティの役割を理解するのに役立ちます。

Dom\HTMLDocument の head プロパティは、HTMLドキュメント内の<head>要素を取得するためのものです。このサンプルコードでは、getElementsByTagName('head')で<head>要素を取得していますが、これは常に最初の<head>要素を返すとは限りません。$dom->documentElement->getElementsByTagName('head')->item(0) は、ドキュメントのルート要素（<html>）の子要素から<head>要素を探すことを意味します。<head>要素が存在しない場合、item(0) は null を返すため、必ず存在チェックを行う必要があります。$dom->saveHTML($head)は、$head要素を文字列として出力しますが、エンコードに注意が必要です。文字化けを防ぐために、適切な文字コードを指定してHTMLをロードしてください。また、headプロパティは、Dom\HTMLHeadElement オブジェクトまたは null を返すことを覚えておきましょう。

PHPでHTTPリダイレクトを行う


1<?php
2
3/**
4 * リダイレクト処理を行う関数
5 *
6 * @param string $url リダイレクト先のURL
7 * @param int $statusCode HTTPステータスコード (デフォルトは302)
8 * @return void
9 */
10function redirect(string $url, int $statusCode = 302): void
11{
12    // HTTPヘッダーを設定してリダイレクト
13    header('Location: ' . $url, true, $statusCode);
14
15    // リダイレクト後にスクリプトの実行を停止 (推奨)
16    exit;
17}
18
19// 使用例:
20// 他のページへリダイレクト
21// redirect('https://example.com');
22
23// ステータスコード301でリダイレクト（恒久的なリダイレクト）
24// redirect('https://example.com', 301);
25
26?>

このPHPのサンプルコードは、Webページのリダイレクト処理を行うredirect関数を定義しています。リダイレクトとは、Webブラウザを指定された別のURLへ自動的に移動させる処理のことです。

redirect関数は、リダイレクト先のURLを $url 引数で受け取ります。また、オプションの引数として $statusCode を指定できます。$statusCode はHTTPステータスコードを表し、デフォルト値は302（一時的なリダイレクト）です。301を指定すると、恒久的なリダイレクトとして扱われます。

関数内部では、header関数を使用してHTTPヘッダーの Location を設定し、ブラウザにリダイレクト先のURLを伝えます。header('Location: ' . $url, true, $statusCode) は、HTTPヘッダーにLocation情報をセットし、指定されたステータスコードを送信します。

exit 関数は、リダイレクト処理後にスクリプトの実行を停止するために使用されます。リダイレクト後に不要な処理が実行されるのを防ぐため、exit の使用が推奨されます。

サンプルコードでは、redirect('https://example.com');のようにURLのみを指定した場合、一時的なリダイレクトとして処理されます。redirect('https://example.com', 301); のようにステータスコードを301に設定すると、ブラウザはリダイレクト先のURLを恒久的にキャッシュするため、SEOの観点からも重要な役割を果たします。

このように、redirect関数を使うことで、PHPスクリプトから簡単にWebページのリダイレクト処理を実装できます。

header('Location: ...') を使う際、いくつか注意点があります。まず、header()関数は、HTMLなどのコンテンツを出力する前に実行する必要があります。コンテンツ出力後だとエラーになります。また、リダイレクト後、スクリプトの実行をexit;で停止させることを強く推奨します。さもないと、リダイレクト後も不要な処理が実行される可能性があります。ステータスコードは省略すると302（一時的なリダイレクト）になります。恒久的なリダイレクトの場合は301を指定しましょう。リダイレクト先のURLは、ユーザーの入力に基づかないように注意してください。もしユーザー入力を使う場合は、サニタイズ処理を必ず行い、不正なURLへのリダイレクトを防ぐ必要があります。